モビリティに関しては、「いくら洞察を深めても、アクションをとれなければ意味がありません。従来はアナリティクスといえばPCやWebブラウザでの使用が中心でしたが、世界的にモバイルデバイスが爆発的な普及を遂げた昨今、弊社ではこれらを使ったデータ活用に注力してきました」とセイラー氏は、モバイルアナリティクス/従業員の生産性向上/BtoBおよびBtoC向けなどあらゆるモバイルアプリが単一プラットフォームで実現可能なMicroStrategyの魅力を語った。

MicroStrategyでは、短期間でBIをモバイルデバイスに展開することが可能。操作性に関しては、Webベースより使いやすいモバイルデバイスに最適化されたプロンプトやフィルタ機能、タッチ対応およびジェスチャー操作などを挙げた。また、アプリレベル/画面レベル/項目レベルのセキュリティ機能、プッシュ通知の配信、ネットワーク非接続状態でもアプリが使えるオフラインモードも特徴となっている。

短期間で展開できるモバイルアナリティクスアプリ

従業員の生産性向上アプリについては、情報システム/業務プロセス/Webアプリケーションをモバイル化することが可能だ。iOS/Android/Webで動作するネイティブアプリをノンプログラミング(ドラッグ&ドロップ)で構築できるほか、複数のデータソースやシステムからの情報をモバイルアプリに統合できる。アナリティクスに限らず、同じアプリ内からマルチメディアを呼び出したり、トランザクションの実行も行える。 BtoB/BtoC向けアプリに関しては、スプラッシュスクリーンやアイコンのカスタマイズ、App StoreやGoogle Playでのアプリ配信などが可能。セキュアかつパーソナライズされたアクセスを、数十万ユーザーに提供できるという。

「モバイルアプリによって、企業と顧客の関係性を改善できるケースはかなり多いといえます」と、セイラー氏はその有用性をアピール。さらに実際の導入事例として、オーストラリアのコモンウェルス銀行がクレジットカード加盟店向けに提供しているタブレットアプリ「Daily IQ」を紹介した。

モバイルアナリティクス機能

モバイルバッジでセキュアかつシームレスなアクセスを実現

セキュリティに関しては「セキュリティは現在もっとも加速している分野です。MicroStrategy Usherのモバイルバッジを使えば、さまざまなエンタープライズの資産へセキュアかつシームレスにアクセスできます」とセイラー氏は語った。

MicroStrategy Usherは、従来使われていたID/パスワードの代わりに、各種モバイルデバイスへモバイル・アイデンティティ・バッジを提供できる。これにより、スマートフォンを持ってPCやドアへ近寄るだけでロック解除が行えたり、パスワードレスでWebアプリケーションへのログインも可能。また、10万単位ものデジタルバッジを無償で配布できる、確実な利用履歴が残せる、パスワードのリセットや管理の手間が不要といったメリットがある。企業では勤怠管理表が不要となるほか、交通のトラッキングや学生の出欠確認などにも利用できるという。そのほか、近接機能や電話発行によるピン番号で本人確認が行えるため、顧客用システムにも活用が可能。これらの機能を使うことで、企業の生産性やカスタマーエクスペリエンスの向上が期待できる。

MicroStrategy Usherのモバイルバッジでセキュアな社員用システムや物理アクセスを実現

「MicroStrategy」の機能をクラウド上で使える「Secure Cloud」

そしてもうひとつ、こうしたMicroStrategyの機能がクラウド上で使えるのも大きなポイントだ。同社が提供するMicroStrategy Secure Cloudは、米Amazon.comの「AWS(Amazon Web Services)」基盤でMicroStrategyを利用できるというもの。高度なパフォーマンスとセキュリティ、迅速な展開、スモールスタートができる拡張性などが魅力となっている。オペレーション範囲は5大陸11カ国におよぶため、グローバルビジネスを展開する企業も安心だ。

「デスクトップ用のトライアルでは、60分以内にWindows上にすべてのサーバをフルセットでダウンロードすることができます。実質的な作業時間は約5分だけで、あとはダウンロードが完了するのを待っていれば良いのです」とセイラー氏は、手軽に試せる強みをアピールした。

最後にセイラー氏は「皆さまが本当に画期的なアプリケーションを導入できるよう、弊社では今後も積極的に経営リソースを投入していきます。各企業や組織にはさまざまなニーズがありますが、これらを満たすアプリケーションが短期間かつ低リスクで実現できるMicroStrategyをぜひご活用ください」と語り、講演を締めくくった。