説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『長期の海外出張にiPhoneを持参する予定ですが、なにか?』という質問に答えます。

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海外で手持ちのスマートフォンを利用する場合、日本の携帯電話会社の国際ローミングを使うか、現地の携帯電話会社と新たに契約する(SIMの購入)かの二択となります。Wi-Fiでの運用に切り替える(モバイルルータの利用を含む)もありますが、ここでは除外します。

国際ローミングは、現在利用している電話番号と(キャリアの)メールアドレスをそのまま利用できることが利点です。事前申込みは特に必要なく、かんたんな設定を行う程度で音声通話とデータ通信の両方を利用できます。4G/LTEのデータ通信はどれだけ利用しても1日約3千円 -- ソフトバンクは「海外パケットし放題」、auは「海外ダブル定額」、NTTドコモは「海外パケ・ホーダイ」 -- の範囲です。

滞在が数日以上におよぶ場合は、現地でSIMを購入したほうが安上がりです。海外キャリアの料金体系は従量制(利用したぶんの料金が発生)が一般的ですが、パケット代は日本よりも低水準なことが多く、空港などでプリペイド型のSIMを販売しているので入手も容易です。

現地のキャリアを利用する場合は「SIMフリー」または「SIMロック解除後」のiPhoneが必須です。日本の携帯電話会社が扱うiPhoneでSIMロック解除可能なモデルは、2016年4月現在iPhone 6s/6s Plusに限定されるため(後日iPhone SEも対象になります)、それ以前のiPhoneを利用している場合はSIMフリーモデルへの機種変更を検討すべきかもしれません。

なお、SIMロックされたiPhoneを長期にわたり海外へ持ち出すことは、お勧めできません。うっかりシステムアップデートすると、一時休止されたSIMを装着しているとAppleのサーバに接続できず、アクティベートに失敗してしまうためです。日本に帰国して一時休止を解除するか、現地でアクティベーション用SIMカードを購入すれば解決できますが、滞在が長期にわたる場合は忘れがちとなるので注意しましょう。

1、2日程度の海外出張はローミングで乗り切れますが、長期の場合はSIMフリーまたはSIMロック解除後のiPhoneを用意しておきましょう