キヤノンが、CP+2016を目前に発表した「EOS 80D」。いわゆる"二桁D"のクラスに「EOS 8000D」で更新されたスペックを反映させてくるだろうとの一部予想を大きく超え、上位機種「EOS 7D Mark II」をも凌ぐ機能を搭載してきた。それらについては追ってレビューをお届けするとして、今回は前作「EOS 70D」との外観の違いを中心に、新しい機能や装備について紹介したい。
熟成されたEOS 70DのUIをさらに使いやすく
大方の予想通り、パッと見の印象はさほど変わらない。グリップを握った感覚も同じだが、そこからが大きく違う。まず、モードダイヤル。ダイヤルの大きさや構造自体は同じだが、撮影モードに新しく「カスタムモード2」と「クリエイティブフィルターモード」の2つが増えた。
カスタムモードは、絞り、シャッター速度、ISO、WB(ホワイトバランス)、ピクチャースタイル、撮影サイズなどの各設定を自由にカスタマイズした撮影モードを登録しておける便利な機能。だが、70Dは1つの撮影設定しか登録できず、物足りなかった。80Dではこれを2つ登録できるようになったのは嬉しい。
クリエイティブフィルターモードは、「水彩風」「ラフモノクロ」「ソフトフォーカス」「トイカメラ風」「ジオラマ風」「魚眼風」の6種類のフィルターと、「ナチュラル」「絵画調標準」「油彩調」「グラフィック調」「ビンテージ調」の5種類のHDR仕上がり効果を適用して撮影できるモード。70Dのクリエイティブフィルターは撮影後にメニューから呼び出して適用したが、80Dでは専用の撮影モードを持つに至った。なお、HDR仕上がりは、7D Mark IIにも搭載されている機能だ。
モードダイヤルの次に操作するのは、背面のマルチコントローラー(ホイール)やボタンだが、これも操作性が大きく改善された。EOS 70Dより凸が高くなり、より「どこのボタンを触っているか」や「クリック感」が明確に伝わる。下の写真を見れば、一目瞭然だろう。Qボタンや再生ボタン、ゴミ箱(画像削除)ボタンも形状がシンプルな丸型へと変わり、やはり凹凸がはっきりしている。これまでの「押せたような、押せなかったようなモヤモヤ感」が一掃され、操作に関する「見えないストレス」が大きく軽減された。