説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『アプリのSpotlight対応って、なにか意味があるの?』という質問に答えます。

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iOS 9の現在、多くのアプリが「Spotlight対応」を果たしています。技術仕様は公開されているため、Apple純正のアプリにかぎらず、App Storeで公開されているサードパーティー製アプリにもSpotlightに対応済のものが存在します。

Spotlightは、アプリが保有するさまざまなデータを迅速に検索する機能です。対象のアプリを特定したうえで検索するのではなく、インストールされている複数のアプリをまとめて"串刺し"検索可能なため、二度手間・三度手間がありません。使い方はかんたん、ホーム画面の適当な位置を下方向へフリックすると検索フィールドが現れるので、そこに探したい文字列を入力するだけです。

ただし、Spotlight検索の対象となるアプリは、開発段階でその機能が組み込まれていなければなりません。つまり、すべてのアプリがSpotlight対応ではなく、そのように開発されたアプリだけということになります。

実際に検索可能かどうかという問題もあります。Spotlightに対応したアプリは、『設定』→「一般」→「Spotlight検索」の順にタップすると表示される画面にスイッチが表示されますが、ここに表示されるアプリは必ずしも串刺し検索の対象になるわけではありません。サードパーティー製アプリの大半は、ただスイッチが表示されているだけです。

筆者が把握しているかぎり、内部のデータをSpotlight検索可能なサードパーティー製アプリは『Dropbox』(クラウド型ファイル共有アプリ)、『すぐひける辞書』(無料の英和辞書アプリ)などごく少数です。高速な検索を実現するため事前にインデックスファイルを作成しておくなど、Spotlight対応アプリならではの前処理が必要なこともあり、あらゆるアプリの内部データが串刺し検索可能になることは当面先になるのではないでしょうか。

内部データの串刺し検索という「Spotlight検索」に対応するアプリは多くありません(画面は『すぐひける辞書』)