ミサワホームグループのマザアスと慶應義塾大学(慶大)医学部、社会福祉法人さくら会は1月26日、高齢者施設に入居する80歳以上の自立高齢者を対象に健康長寿の要因の特定を目指す共同研究契約を締結し、調査を開始したと発表した。

健康長寿の実現には、遺伝や性格、生活習慣、社会との関わり方などさまざまな要因が影響していると考えられている。厚生労働省では、食事や運動などの生活習慣の観点から健康の保持・増進を図るため、年齢層別に摂取することが望ましいエネルギーおよび栄養素の量の基準を示す「食事摂取基準」や健康づくりのための「身体活動基準」を策定している。しかし、80歳を超える年齢層については、基礎データが不足してるためこれらの基準が設定されておらず、日本人の平均寿命が80歳を超えていることからも、高齢者を対象とした基礎データ収集の必要性が高まっている。

慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターは、これまでにも80歳以上の高齢者を対象とした生活習慣や健康状態の調査を実施しており、今回の研究ではマザアスおよびさくら会と共同で「高齢者施設」の入居者に限定した同様の調査を行う。

具体的にはマザアスおよびさくら会が運営する高齢者施設の入居者に対してアンケートや個別面談を実施するほか、心理面・身体面の状態、食習慣を含む生活習慣などを数年間にわたり調査する。この結果をもとに、老化によって発生率が高まる動脈硬化症や骨粗鬆症、認知症といった症状の予防につなげるほか、80歳以上の高齢者向け食事摂取基準の提唱や食事メニューの開発などが進められる予定だ。