東レは1月19日、粉末床溶融結合方式の3Dプリンタ向けにPPS樹脂微粒子「トレミルPPS」を開発し、販売を2月から開始すると発表した。

PPS樹脂は耐熱性や耐薬品性、機械的強度、難燃性に優れたプラスチックで、自動車の電装部品や電機・電子機器、OA機器、住設関連部品などに使用されている。

近年、航空機やロボットでは3Dプリンタを用いて最終製品を出力するDDM(ダイレクト・デジタル・マニュファクチャリング)が普及しつつあるが、粉末床溶融結合方式の3Dプリンタでこれまで使用されてきた主な素材(ナイロン樹脂の微粒子)では、耐熱性や強度の限界により展開用途が限られていた。

これに対し、高機能PPS樹脂をベースとする「トレミルPPS」は、自動車や航空宇宙。産業・医療用機械など幅広い用途におけるDDMの適用を可能とするもので、3Dプリンタメーカ・アスペクトが開発中の高耐熱樹脂対応3Dプリンタ(粉末床溶融結合装置)への正式採用がすでに決定しているという。

「トレミルPPS」は、1月27日~29日に東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2016」に出展される予定となっている。