2016年の干支は「申(サル)」。サルをモチーフにしたキャラクターはさまざまにありますが、かつて軽快なジングルとひょうひょうとした語りで大人気となったNECの販促キャラクター「バザールでござーる」を覚えているでしょうか?

「懐かしい!」と思う人も多いかもしれませんが、実は「バザールでござーる」、「引退」したわけではないとのこと。しかしながら当時の熱狂さめやった今、「バザールでござーる」はいったいどんな活動をしているのでしょうか。

今回はNECの広報担当の方に、申年を迎えた「バザールでござーる」について、その誕生の経緯や「今」の状況などについて聞いてみました。

――90年代に一世を風靡した人気キャラ「バザールでござーる」ですが、その誕生の経緯を教えていただけますか?

「バザールでござーる」は、NECの販売促進キャンペーンをわかりやすく伝えるため、またそれに対して親しみをもってもらうため、さらに話題性を喚起することで店頭を活性化させるために生み出されました。

1991年11月に「NEC冬の情報生活市(じょうほうせいかついち) バザールでござーる」としてスタートしました。まずサブタイトルにもある「情報生活市」と、店頭誘引型キャンペーンである事から、市場という意の「バザール」という言葉が浮かび、そこから「バザールでござーる」というキャンペーンタイトルが誕生しました。そしてその後、「バザールでござーる」という口調から、必然的に「こざる」のキャラクターが考え出されました。

――クリエイティブディレクターの佐藤雅彦氏が手がけたことでも知られるキャラですが、その造形はどうやって決まっていったのでしょうか?

造形的には、『きちんとしたかわいらしさ』を目標に作られました。無垢だけどいたずら好きで、頭はいいけどおっちょこちょいで、くったくのない純真なこざる、そんな性格と精神を持ったキャラクターを表現しました。

――「バザールでござーる」の声は俳優の財津一郎さんが務めています。女優さんや女性声優さんのいわゆる「かわいい」雰囲気の声ではなく、ひょうきんな印象の財津さんを起用したきっかけは?

テレビから聞こえてきた時に、瞬間的に視聴者の耳を惹きつけ、離さないくらいの魅力を備えた声を探しました。要素としては、個性的であること、印象的であること、世界観を作れること、滑舌がはっきりしていること、そして何よりもバザールでござーるのナレーションの独特なテンポ感や間(ま)をその人が作れることなどが条件でした。それらをすべて兼ね備えていたのが財津さんでした。

――バザールでござーるは一時大ブームとなり、ゲームや絵本など関連グッズも多く展開されました。特に印象に残っている/効果的だったグッズは何かありますか?
「バザールでござーる」にはさまざまなグッズがありますが、キャンペーン期間中に購入者の中から抽選で当たる“プレミアムグッズ”が注目を集め、毎回とても多くの応募をいただきました。特に人気があったのは、1993年キャンペーン時の「好きにしてちゃぶ台」でしょうか。

過去のキャンペーンのプレミアムグッズとCMのあらすじは、オフィシャルホームページの「バザールの歴史」コーナーでご覧いただけます。

――近年はあまり見かけなくなった印象があるのですが、「バザールでござーる」は現在も御社の販促に使われているのでしょうか?

はい。販売促進ツールとして、グッズやカレンダーなどで現在も活躍しています。

またオフィシャルホームページも、「バザールでござーる」のキャラクターに親しんでいただくことや、お客様とのコミュニケーション窓口になることを趣旨として、今でも継続しています。バザールのファン、そしてバザールを通じてNECファンになっていただけることを目指しています。

――「バザールでござーる」のTwitterアカウントは2012年で休眠されましたが、その一方で公式サイトではさりげなく「2016年版カレンダー」のPDFデータが配布されています。申年を機会に、「バザールでござーる」の登場の機会は増えたりするのでしょうか?

登場の機会が増える予定は今のところありませんが、申年ということで再度注目が集まることは嬉しいですね。今年は一層、かわいがっていただけたらと思います。

――最後に、「バザールでござーる」が気になっている読者に一言お願いいたします。

「バザールでござーる」は、幅広い層のお客様にNECへの親しみを持っていただき、NECファンとなっていただくための架け橋となるキャラクターです。今後とも末永くご愛顧いただけたら幸いです。


かつてのようにTVCMなどは見かけなくなったものの、今もNECの販促キャラクターとして現役をはっているという「バザールでござーる」。オフィシャルホームページでは2016年版カレンダーはじめ、プリントアウト用のデータが配布されているので、久々に「バザールでござーる」に会いたくなった人は活用してみてもよいかもしれません。