「機能系ノート」でユーザーのニーズに対応

キャンパスノートの進化以外に注目すべきこともある。それは、現在のキャンパスノートのラインナップには様々な機能を持たせた「機能系ノート」が加わり、消費者の多彩なニーズに対応してきたことだ。

プリントがそのまま貼れるようノートサイズをB5からひと回り大きくしたノート、持ちやすく読みやすいスリムB5サイズノート、フチを斜めに裁断することでページがめくりやすい「パラクルノ」などバリエーションを展開。

その中でも大ヒットしたのが2008年に発売されたドット入り罫線ノートだ。罫線にドットが入ることで図形やグラフが書きやすくなっており、数学や理科での利用はもちろん、ドットで文頭がそろえやすいということで美しく文章が書くことができるようになっている。

大人気となったドット入り罫線ノート

普通罫とドット入り罫の違い。ドット罫を目安に文頭を揃えて文章を整えることができる

上田グループリーダーは「いろんなニーズを聞きながらラインナップを増やし、学生や社会人それぞれ合った商品をご用意させていただいています」と話す。

ユーザーに購買動機を起こさせる必要性の高まり

上田グループリーダーによると年間約1億冊の販売のうち約4割が「機能系ノート」が占めているという。ユーザーにとって「使ってみたい」「使ったら便利そう」という購買へのモチベーションを起こさせる製品というポジションになっているのではないだろうか。

同社における機能系ノートのシェアが示すように、文房具のニーズも昔に比べて変わってきた。質素でシンプルなものが当たり前の時代から、今では表紙デザインや機能性などユーザーのこだわりが多様化している。楽しく快適に学習や仕事ができる文房具の需要は高まっている。従来の高品質な製品作りに加え、細かいニーズを読み取った商品開発が必要になってきたのだ。

どれも5mm方眼罫のノート。バリエーション豊富で書く楽しさを期待させる

ビジネスシーンにおいても、昔はどこの会社でもノートをまとめて購入し備品として置いてあったが、今では経費節減で備品を極力減らすようになり、会社にあるノートを使うのが当たり前だった受け身の時代から大きく変わっている。ユーザーが自ら欲しいまたは必要だと思うノートを提供する時代になったという。

「大人が使えるデザインを」というユーザーニーズから生まれたシックなタイプ