さて、「ワンタッチプライバシー」では複数のファイル、フォルダを管理、隠蔽できる。それはそうだ。1つしか隠蔽できないのでは実用性が低い。

複数の隠蔽ファイルの登録は次々とプログラムウィンドウにファイル、フォルダをドラッグ&ドロップしていけばいいだけだ。複数のファイルを登録すると、リストに複数のアイテムが表示されていく。そして、リストは下端まで達すると、スクロールできるようになる。このリストはかなり長くなることを想定したデザインのようだ。

複数ファイルを登録した場合、特定ファイルだけを見えるようにすることもできる。また、一度に多数のファイル、フォルダの登録も可能。富士通はオレがそんなに隠したいファイルやフォルダをいっぱい持っていると考えているのか? 単に生真面目で、さまざまなことを想定して開発しているのか?

複数のファイルを登録した場合でも、登録したファイル、フォルダごとにファイルを隠すスイッチをオン、オフできる。また、急いでファイルを隠したい場合にために、右上の「すべてを隠す」ボタンで一度にすべてのファイルを消すことができる。

隠す機能をどう活用するか?

この機種はセキュリティ機能として、背後からディスプレイをのぞき込んだ人を検知できる機能も搭載している

最近はタフさを強化したビジネス向けノートPCが増えているが、タフさの次に必要となるのはセキュリティ機能だろう。富士通は指紋認証などを早くからノートPCに取り入れたり、虹彩認証をスマホに搭載するなどセキュリティに積極的なメーカーなので、「ワンタッチプライバシー」のような、ファイルを隠す機能を取り入れたことは理解できる。

いろいろ試したが、「ワンタッチプライバシー」は非常に面白い機能だ。提言の意味で、「ワンタッチプライバシー」がスタートメニューに表示されてしまうのが気になると記しておこう。だって、このパソコンの中のデータをチェックしたい人が、そのパソコンを触ったら、「このプログラム何?」って、起動しようとしてしまうだろう。そして、起動すると、パスワードにブロックされてしまうわけで、ユーザーへの疑惑が増してしまうかも知れない。アイコンを表示せずに、例えば複数のキーの組み合わせで起動するようになったら、使い勝手がより良くなりそうだ。

「ワンタッチプライバシー」は「LIFEBOOK SH90/W」だけでなく、富士通の秋冬の新製品に搭載される機能だ。会社のデータでも個人のデータでも、複数の人が使う可能性のある環境にいる人や、手軽にセキュリティを高めたい人は、店頭などで一度試してみると良いだろう。