シャープから11月5日に発売された「ヘルシオ ホットクック KN-HT99A」(以下、ホットクック)。健康な食生活を実現する同社の調理家電「ヘルシオ」シリーズで、初めて"煮る"調理を目的とした電気鍋だ。気になる新製品をひと足先に使ってみた感想をお伝えしよう。前編では基本的な使い方を紹介したが、後編では使い勝手などについて率直な感想をお伝えしたい。

前編はコチラ
魔法の鍋? スイッチひとつで無水調理 - シャープの「ホットクック」が想像以上に優秀だった(前編)

ヘルシオ ホットクック KN-HT99A

料理が苦手な人でも大丈夫

実を言うと、筆者は鍋オタクでもある。無水調理用の鍋も複数種類持っており、無水調理のおいしさについてはすでに熟知していたものの、「今さら、電気無水鍋までは必要ない」と思っていたフシがあった。

付属のメニューブックとメニューガイド。メニューブックを参照しながら作っていくうちに、なんとなく仕組みがわかってきて応用できるようになる。各レシピ、上部に自動メニューの番号と、まぜ技ユニットの要不要、調理時間などが記載されたアイコンが

ところが今回、実際にホットクックを使ってみて感じたのは、無水調理ができる鍋と電気無水鍋は別物であるということ。前述のとおり、ホットクックが勝手に調理してくれるという点だけでも、十分価値がある。ゆえに、すでに無水調理用の鍋を持っていても、それとは別でホットクックを持っておいてもいいのではないか、と思う。

無水調理用の鍋を持っていない人にも、もちろんオススメしたい。日頃、複数の鍋を駆使して料理する筆者であっても、それぞれの鍋固有のクセなどを理解して使いこなすには、それなりに練習が必要。焦がしてしまうといった失敗も数多く経験してきている。しかし、ホットクックは料理初心者がいきなり使っても、メニュー設定さえ間違えなければ、基本的には失敗しない。レシピブックを参考にしながら、だいたいは目分量で材料をセットしたが、一度も失敗しなかった。それもそのはず、ホットクックは温度センサーと湿度センサーを備える。水蒸気の量まで検知して火加減を調整してくれるので、料理が得意ではない人も心配無用だ。

無水メニューで作る「里芋の煮ころがし」。ダシの必要なメニューを水なしでどのように作るのだろうか? と思ったが、みりんや砂糖などの調味料とともに"だしパック"をそのまま入れるととのこと。【右】里芋の煮ころがしが完成。ビタビタに水っぽくならず、蒸したようなふっくらした仕上がりに

そのほか、レシピブックのとおりに作ってみた無水調理例。いつもの直火で使う無水調理鍋で作るより断然おいしく、家族からも大好評だった。一部だけ加熱が不完全ということもなく、仕上がりは安定していた

煮崩れしやすい肉や魚が主役の煮込み料理は、時間がかかるうえ、水加減も火加減も難しい。でもホットクックならやっぱり放っておくだけで、失敗なくおいしくできてしまう。まるで魔法のようだった

【左】炊飯も可能。水を計量するといった使い勝手が炊飯器には劣ってしまうが、問題なく炊ける。【右】蒸し板が付属するので、焼売などの蒸し料理も。水が不要で、ビチャビチャにならず、ふっくら

【左】発酵メニューでは、味噌や塩麹、クリームチーズなども作れる。手間も省けるうえ、短時間でできるので自家製派にはうれしい。【右】無水調理ができると、ジャムやコンポートも、濃厚で甘みがギュッと詰まった味に。ケーキやパン生地の発酵もできる