Microsoftは10月7日から「Surface Pro 4」の予約受付を開始し、同月26日に発売する。これは北米市場の話で日本市場については執筆時点で不明だが、過去の例をみれば、日本マイクロソフトが近日中に投入することは明らかだろう。今回は、Windows 10搭載PCを新たに欲するユーザーにとって気になるSurface Pro 4に注目する。

米国およびカナダでは10月26日に発売される「Surface Pro 4」

順当なパワーアップは魅力に欠ける?

Surface Pro 4はSkylakeこと第6世代のIntel Coreを搭載するなど、Surface Pro 3に比べ多くのハードウェアスペックを向上させた。にもかかわらず、0.7mmの薄型化、14gの軽量化を達成。ディスプレイは0.3インチ拡大して12.3インチに、解像度もQHDから3K相当へと高解像度化を進めた。Microsoft Surface担当CVPのPanos Panay氏は「画質の向上やペン入力の精度など各所を向上させている」と説明している。

「PixelSense」と名付けられたSurface Pro 4のディスプレイ

付属する「Surface Pen」は5月に買収完了したN-trigのスタイラスペン技術を利用。感圧レベルを256段階から1,024段階に高め、入力遅延など書き込む際に発生していた違和感を軽減している。さらにペンのトップボタンを消しゴム機能に変更し、消しゴム付き鉛筆のような使い方を可能にした。Surface Pro 3ではペンのトップボタンにOneNote起動などの機能を割り当て、消しゴムボタンもわざわざ用意していたが、Surface Pro 4の新しい仕組みの方がユーザーも直感的に使用できるだろう。

筆者はSurfaceシリーズ発売直後からType CoverやTouch Coverを使ってきたが、キーストロークの浅さと打鍵時の軽さが気になっていた。Surface Pro 4のType Coverはこの点を鑑みてか、Surface Bookと同じくパンタグラフ式に切り替えている。さらに、Surface Pro 4のType CoverはSurface Pro 3でも利用可能だ。

Surface Pro 4では「Surface Dock」も大幅にコンパクト化。4K出力をサポートする2基のDisplayPort、4基のUSB 3.0、LANポートなどを備えている。価格はMicrosoft Storeで199.99ドル。Surface Pro 3やSurface Bookにも対応しており、国内発売に期待したいところだ。

Surface Penの精度をアピールするPanay氏。消しゴム機能がトップ部分に移動した

Surface Pro 4 Type CoverのキーピッチはSurface Bookのキーボードと同等と思われる。パンタグラフ式を採用

指紋認証ユニットを搭載したType Coverも用意(米国のみ)

Surface Pro 4を拡張するSurface Dock

Surface Pro 4への期待は大きいが

さて、今回の発表を受けて筆者も、初代Surface Proからの有力な乗り換え候補としてSurface Pro 4に期待している。スペックは順当なバージョンアップで満足できる構成であり、個人的にはWindows Helloの顔認証に対応している点も大きい(Surface Bookも同様)。だが、大きな壁となるのはその価格である。

米国およびカナダでのSurface Pro 4参考価格

上図は北米におけるSurface Pro 4の参考価格だが、これをそのまま現在の為替レートに当てはめると、m3モデルでも10万円を超えることは間違いない。Type Coverなどを加えると、さらなる出費が必要になる。値ごろ感のあった円高のときとは変わって、今は"良いけど高いデバイス"という評価が順当ではないだろうか。

ワールドワイドでビジネスを行うMicrosoft曰く、日本はSurface Proシリーズが成功した国の一つだそうだ。Windows 10の無償アップグレードが一段落したMicrosoftは、今後自社やOEM製のWindows 10搭載デバイスをプッシュする局面に移行する。これまでは為替などの追い風に助けられてきた部分があったが、今回はどのような結果になるのか。Surface Pro 4の国内正式発表が待ち遠しい。

阿久津良和(Cactus)