米AMDはこのほど、ビジネス市場向けのAPU「AMD PRO A」シリーズの新モデルとして、「AMD PRO A12」を発表した。HPから搭載製品の投入が予定されている。

「AMD PRO A12」は、AMDの第6世代APU"Carrizo"(開発コード名)をベースとした製品。「Carrizo」は、28nmプロセスで製造されるAPUで、CPUコアにBulldozer系のx86コア"Excavator"(開発コード名)、グラフィックスに「AMD Radeon R7 Graphics」を統合する。"AMDによると、前世代の"Kaveri"(開発コード名)に比べて、CPUコアで50%、GPUで66%ほど電力効率が向上しているという。

Carrizo"のアーキテクチャそのものについては、大原雄介氏の解説記事COMPUTEX TAIPEI 2015のレポートを参照してほしい。

前世代の"Kaveri"(開発コード名)に比べて、CPUコアで50%、GPUで66%ほど電力効率が向上している

今回発表されたモデルは「AMD PRO A12-8800B」のみ。CPUコアを4基、GPUコアを8基の合計で12基のCompute Coreを備える。CPUの動作クロックは最大3.4GHz、GPUの動作クロックは800MHz、メモリはDDR3-2133に対応する。TDPは12~35Wで調整可能。

AMD PRO A12-8800Bの概要。スペックやモデルナンバーから判断すると、FX-8800Pの「AMD PRO」版といったところだろう

AMD PROでは24カ月の製品供給をコミットする

また、"Carrizo"では、ARMのTrustZoneをベースとしたセキュリティ用プロセッサ「AMD Secure Processor」を統合しているが、ビジネス向けでもこれは変わらず。機密性の高いタスクをAMD Secure Processorで実行することにより、セキュリティを高めるとしている。さらにHEVC(High-Efficiency Video Compression)に対応したデコーダーを実装する。

TrustZoneの概要。CPUの内部にセキュリティドメインを作り、これがシステムを監視するというもの。この処理向けにCortex-A5コアをAPUに統合する

「AMD PRO A」シリーズ搭載モデルは、HPから登場する予定で、HP EliteBook 705シリーズ のHP EliteBook 725/745/755で採用されるという。