ソニーの「RX100 IV」(DSC-RX100M4)は、シリーズ4代目となる1型センサー搭載の高級コンパクトデジカメだ。昨年発売された「RX100 III」(DSC-RX100M3)から外観デザインを受け継ぎながら、処理の高速化や電子シャッターの搭載、4K動画への対応、EVFの精細化などを図っている。その画質や使い勝手はどうなのか。実写レビューをお伝えしよう。

ソニー「RX100 IV」(DSC-RX100M4)。実勢価格は税込130,000円前後(2015年9月24日時点)

まず注目したいのはイメージセンサーを一新したこと。これまでのRX100シリーズは、初代機「DSC-RX100」が一般的な表面照射型CMOSセンサーを、2代目「DSC-RX100M2」と3代目「DSC-RX100M3」が裏面照射型CMOSセンサーを備えていたが、今回の「DSC-RX100M4」では新開発の積層型CMOSセンサー「Exmor RS」を採用した。

積層型CMOSセンサーは、従来は同一の基板上にあった画素部分と回路部分を分離し、それぞれが独立した層として重ねられた構造となる。これによって回路部分が拡張され、信号の処理速度が向上。既存の裏面照射型に比べて、データ読み出し速度は5倍以上になっている。

この処理のスピードアップによって可能になった機能のひとつがスーパースローモーション(ハイフレームレート撮影)だ。これを選択すると、1秒間に最大960コマのフレームレートで動画を撮影でき、最大40倍のスローモーション映像が楽しめる。

【動画】スーパースローモーションで撮影

スーパースローモーションの記録設定は24p/30p/60p、フレームレートは240fps/480fps/960fpsからそれぞれ選べる。音声はなし。録画タイミングをエンドトリガーにすれば、録画ボタンを押す直前の映像を記録できる

4K動画の設定画面。4K記録には、Class10以上のSDXCメモリーカードが必須となる

通常の動画モードについては、4Kでの撮影に対応した。4K動画の記録フォーマットはXAVC Sで、サイズは3,840×2,160ピクセル、フレームレートは30pか24pを選べる。4Kの連続撮影時間は最大約5分と短い点は惜しいが、胸ポケットサイズの薄型軽量ボディで高精細な4K動画が撮れることはありがたい。

下は4Kで撮影した動画と、その動画から切り出した静止画だ。カメラ本体に静止画のキャプチャ機能はないので、ここではAdobe Lightroomを使って切り出しを行った。細部までくっきりと描写する精細感の高さを確認できる。

4K解像度で撮影した動画

4K動画から切り出した静止画

4K解像度で撮影した動画

4K動画から切り出した静止画