オールメタル加熱方式で需要を拡大

パナソニックは1990年に、ガスに代わる熱源製品として、200VのIHクッキングヒーター第1号機となる3口ビルトインタイプを投入。パナソニックのIHクッキングヒーターは実に25年の歴史を持つ。2000年には、加熱中であることが一目でわかる「光るリング」を搭載した新世代製品の開発。これにより需要を拡大し、2002年には「オールメタル加熱方式」を採用した製品を発売。さらに、2013年には「ラクッキンググリル」を開発し、市場をリードしてきた。

特に、オールメタル加熱方式は、多層鍋や銅鍋、アルミフライパン、アルミ鍋も使えることから、それまでの「IHにすると鍋を買い替えなくてはならない」という不満を一掃。2002年から2007年までの5年間で市場は倍増した。

第1号機となる3口ビルトインタイプ「KZ-DHC31」。大阪府枚方市のオール電化住宅で採用

オールメタル加熱方式採用「KZ-321MS」。使い慣れたアルミの雪平鍋や銅鍋などを使えるように

鉄やステンレスにも対応した「KZ-F33XST」

エコナビ搭載のIHクッキングヒーター「KZ-TS60XS」

業界初、グリルにもIHを採用した「KZ-V773S」。調理時間の40%短縮、20%の省エネを実現。下は電気オーブンレンジ「NE-DB901」

パナソニック独自のラクッキンググリル

光るリングが光っている様子。加熱していることがわかる

操作部もわかりやすいように文字を大きくし、ホワイトバックライトを採用

加熱コイルの周波数を約30kHzから約90kHzに向上させた3倍共振インバーターの開発により、小さい電流でより大きな加熱パワーを得られるようにしたほか、基板の小型化により、左右方向からのダブルオールメタル加熱を実現。微細な50ミクロンの細線を1,500本まとめることで、従来のコイルに比べて30倍の本数を使用でき、表面積を5倍にまで拡大することができた。さらに、トッププレート下面に設置した浮力低減プレートにより、鍋に働く反発力(浮力)を抑制しているという。

【左】パナソニックが採用している「新・3段回路」。オールメタル2口を制御し、従来回路の約2分の1の体積とした。【右】右がパナソニックが採用したオールメタル加熱コイル。1500本の微細線を集めている