スイスのバーゼルで開催されたウオッチ&ジュエリーの祭典「BASELWORLD 2015」。ORIS(オリス)ブースでは、1960年代のクラシックなダイバーズの復刻モデルを展示。また、昨年創業110周年を記念して35年ぶりに発表された自社製ムーブメント「キャリバー110」を量産化した「キャリバー111」の姿も。創業111年を数える老舗の伝統と、同社の新時代を象徴する革新的技術の双方を提示して見せた。なお、記事中の価格はすべて予価、税別価格となる。

オリスブース

ダイバーズ 65

1965年に発売されたオリジナルモデルのレトロなルックスをそのまま再現しつつ、最新技術を取り入れて設計。当時のオリジナルで両方向回転式だったベゼルは、逆回転防止仕様にアップグレード。トリチウムを用いていたハンズとインデックスも一新、"ライトオールドラジウム(Light Old Radium)"カラーのスーパールミノバを採用して、暗部での視認性も大きく向上させた。また、6時位置にはデイト表示を装備する。

個性的なアラビアインデックスが目を引く

ドームシェイプ風防やねじ込みリューズの形状もクラシカル

ボックスにセットされた状態のディスプレイ

ムーブメントは自動巻で、パワーリザーブは38時間。ケースは直径40mmと、オリジナルの36mmからやや大型化。ケース素材はSS(ステンレススチール)で、バックにはオリジナルモデルと同じオリスの歴史的なロゴが刻印されている。ヴィンテージ感を醸し出すドーム型風防は、内側に無反射コーティングを施したサファイアクリスタルだ。

防水性能は、オリジナル同様の10気圧(100m)。NATOストラップモデルとラバーストラップモデルが用意され、価格はともに21万円。10月発売予定。

キャリバー 111

昨年(2014年)、220個という限定数ながら、35年ぶりの自社製手巻ムーブメント「キャリバー110」にて、マニュファクチュールとしての復活を果たしたオリス。2015年のBASELWORLDでは、生産能力の拡大により誕生したニューモデル「キャリバー 111」を発表。シングルバレルによる10日間のロングパワーリザーブとノンリニアパワーリザーブインジケーターをキャリバー110から継承しつつ、デイト表示を追加。量産化を実現した。

なお、ノンリニアパワーリザーブインジケーターでは、10日間のパワー残量を表示する目盛り間隔が非均一で、パワー残存量が減るに従い針の進む速度が加速する。残存量が少なくなるほど、詳細に情報を読み取れるようにしたという画期的な機構だ。

このムーブメント名をそのまま冠した「キャリバー 111」は、SSケース、ローズゴールドケースに各2種、計4種のダイヤルバリエーションで登場。SSケースは、シルバーグレーまたはサンレイ仕上げのブラックゴールドダイヤル、ローズゴールドケースにはオパラインシルバーまたはマルーンブラウンダイヤルがセットされる。

ケースは、シルバーグレーまたはサンレイ仕上げのブラックゴールドダイヤル、ローズゴールドケースにはオパラインシルバーまたはマルーンブラウンダイヤルがセットされる

いずれもケース径は43mmで、風防とケースバックはサファイアクリスタル(風防は内面無反射加工)。防水性能は3気圧。ストラップは、SSケースにはブラックのクロコダイルまたはSSブレスレット、ローズゴールドケースにはブラウンまたはグレーのクロコダイルストラップが用意される。価格はSSケースモデルが66万円、ローズゴールドケースモデルが180万円。すべて10月発売予定。

ウィリアムズクロノグラフ/ウィリアムズデイデイト

F1レースを象徴するチームのひとつ、ウィリアムズF1チームを称える新しいコレクションが、「ウィリアムズクロノグラフ」と「ウィリアムズデイデイト」だ。

ウィリアムズデイデイト(左)とウィリアムズクロノグラフ(右)

新形状のSS製ケースは、ウィリアムズのF1マシンのシルエットをもとにデザイン。ケース下部に沿って窄(すぼ)まっていくフォルムと、マシンのノーズコーンを想起させるラグの形状が特徴的だ。さらに、ギア形状にデザインされたリューズ、レーシングメーターライクな起点(ゼロ位置)を持つクロノグラフ積算計など、シンプルな時計表現の中にモータースポーツのイメージをセンス良く取り込んでいる。

ウィリアムズクロノグラフのサイドビュー。「ORIS」と「WILLIAMS」のダブルネーム

ウィリアムズクロノグラフ、ウィリアムズデイデイトともにムーブメントは自動巻で、スーパールミノバを施したアプライドインデックスと、スーパールミノバを塗布したニッケル製時分針を採用。ケース径は44mm、風防とケースバックは、サファイアクリスタル(風防は内面無反射加工)。防水性能は10気圧(100m)。

ウィリアムズクロノグラフのシースルーバック。お馴染みのレッドローターが映える

一方、それぞれの独自仕様として、ウィリアムズクロノグラフは、ブラックのダイヤルにブルーの秒針とクロノグラフ針、6時位置にデイト表示を持つ。価格は、ブラックラバーストラップ(ステンレススチール製フォールディングバックル付)モデルが35万円。SSブレスレットモデルが37万5,000円。

ウィリアムズデイデイトは、ダイヤルカラーにブラックとブルーの2タイプを用意。3時位置にデイデイト表示を持つ。価格はブラックパンチングレザーストラップモデルが15万5,000円、SSブレスレットモデルが18万円。すべて発売中。

シンプルゆえに仕上げの美しさが目を引くウィリアムズデイデイト