説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneのカメラで"隠し撮られる"可能性はありますか?」という質問に答えます。

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iPhoneには、背面と前面に各1基のカメラユニットが配置されています。背面のカメラは「iSightカメラ」、前面のカメラは「FaceTimeカメラ」と呼び分けられ、解像度やフラッシュの有無などスペックに差があります。もちろん、スペックはiSightカメラのほうが上です。

コンピュータのカメラは、悪用される可能性を否定できません。実際、PCにウィルスを侵入させウェブカメラで覗き見するという事件が報道されていますが、理屈でいえばiPhoneでも可能です。

しかし、現実にはその可能性は低いと言っていいでしょう。iOSの仕様では、起動中の(バックグラウンド動作中ではない)アプリでなければカメラユニットにアクセスできず、サードパーティーアプリの場合カメラへのアクセスはプライバシー機能で制限できます。それにユーザの同意なくFaceTimeカメラにアクセスするようなアプリは、そもそもApp Storeの審査を通過しないと考えられます。

だからカメラに対し神経質になる必要はありませんが、腕利きのクラッカーにシステムが乗っ取られたらどうするんだ、悪意のアプリが審査を通過する可能性があるじゃないか、という指摘があるかもしれません。確かに、その可能性が将来的にもまったくないとは言い切れないでしょう。

とにかく安心したい、どうしても"視線"が気になる、という場合には根本的な対策があります。それは、iPhoneを置くときはディスプレイを上にすることを心がけ、FaceTimeカメラの表面にシールを貼ること。本体カラーにあわせた色のシールを入手し、それを直径4ミリほどの円形に切り抜いて貼り付ければいいのです。FaceTimeなど一部のアプリは機能が制限されることになりますが、自分にビデオ通話機能は必要ない、セルフィーにも興味がないということであれば、悪い選択ではないかもしれません。

FaceTimeカメラの"視線"が気になる場合には、あの根本的な対策がもっとも安心できます