成否をわける要因は?

藤川氏:それでは、成否をわける要因について教えてください。一番大事なことはなんでしょうか?

石川氏:本人が楽しいことです。正しいことではなく、楽しくなければ続きません。

以前、専門家の方と話をした時にアメリカで一番はやっている映画は「東京物語」だと聞きました。「東京物語」はニューヨーク・タイムズで20世紀のベスト映画の1位に選出されています。10年前は、アメリカの学生が見ても見向きもしなかったのに、今は泣いて母親に電話をするそうです。日本とアメリカの価値観が似てきているのです。

ただ、世界は違います。世界の3大コンテンツメーカーはハリウッド、インドのボリウッド、ナイジェリアのノリウッドですが、インドとナイジェリアはこれからのほとんどの世界人口を占める国です。彼らが何を楽しいと思っているかは、映画やドラマからヒントを得られるでしょうし、そういう要素をモバイルにも入れていかないと、はやらないでしょう。

何をおもしろいと感じるのか、常に自分の価値観のおしつけでなく、相手の立場を考えていくことが重要だと思います。

C Channel代表取締役社長 森川亮氏(元LINE代表取締役社長)

森川氏:常に気になる情報を用意すること、中身が気になるかどうかが重要です。LINEだと、メッセージがくると通知される、これが気になる要素となっています。

あとは、参加できるかどうも大切です。一方的なものだと、自分ごとではなくなってしまいますので、ある事象に対して、自分自身がコミットし、参加しているかどうかが重要です。

最後は距離感も挙げられます。テレビやパソコンの世界と比べて、モバイルは近い存在なので、なるべく文章をパーソナルに伝えるなど、自分のエージェントのような、距離感が縮まってくるような効果が、モバイルらしいと思います。

溝口氏:継続です。続かないサービスはうまくいきません。接触回数や「気にかかる」という気持ちなど、どうやって継続させるかが重要です。

藤川氏:皆さん同じことを言っていますね。「楽しい」「気になる」だから「継続する」って。