ダイニングエッジインターナショナルがフランチャイズにて経営する「がブリチキン。高円寺店」はこのたび、専用タブレットで利用する飲食店向け予約管理システム「TableCare レストランアプリ」の導入を決めた。これにより、予約管理の効率化とブッキングミスの防止を図っていく。

がブリチキン。は、愛知県のブルームダイニングサービスが展開する名古屋発祥の飲食店ブランドで、全国に22の加盟店舗を持つ。流行り廃れのない「からあげ」や「骨付鳥」を主力商品とする低価格高回転型のほか、バルスタイルで女性に親しまれるキャラクターデザインやインテリア、客単価2,400円という気軽に立ち寄れる価格帯により幅広い年代をターゲットとする。

今回の取材先となる高円寺店は、ダイニングエッジインターナショナルが加盟店契約し、2014年2月14日に東京都内 第1店舗目としてオープンした店舗だ。

東京都・高円寺は、低価格帯の人気店が数多く存在する飲食店の激戦区として知られる厳しい土地だ。「がブリチキン。の東京進出第1弾をあえて激戦区に設け、そこで成功すればその後の多店舗展開もうまくいくと考えた」とダイニングエッジインターナショナル ストアコンサルティング部に所属し、部長を務める長井広樹氏は言う。 

ダイニングエッジインターナショナル ストアコンサルティング部
部長 長井広樹氏

同店は、オープンからこれまで、集客のためにさまざまな施策を行ってきた。オープン時に認知拡大を目的に実施した「ちんどん屋」は、宣伝効果が大きく、大雪の日にもかかわらず150名が入店したそうだ。

その後も、ポスティングや新聞折込チラシ、雑誌への広告掲載、テレビ・雑誌などの各種マスコミ媒体への出演、飲食店口コミサイト、近隣企業や団体への営業、Web上の会員サイトでのアンケート収集など、次々と施策を実施した。その努力もあってか、高円寺店の経営は順調。こういった背景もあり2014年7月、別企業ではあるが、東京都・新橋に都内のFC2店舗目となる「がブリチキン。新橋店」をオープンさせている。

課題は、予約管理の方法にあった

あまり広いとは言えない同店は、最大で49名を同時に収容することが可能だが、週末の金土日曜日のピークタイムには、満席ですぐに席へ案内できないことも多い。これは予約客が多いというわけでなく、現状では、その割合が1~2割程度だという。

がブリチキン。高円寺店 イメージ (ブルームダイニングサービス 公式Webサイトより引用)

同店ではこれまで、予約は電話で受け、その管理はExcelにデータを手入力する方法で行っていた。飲食店でも、タブレット端末やネット予約などIT技術の活用により効率化が叫ばれる昨今、この手段は非効率な上にブッキングミスも発生しやすい。

加えて、同店の営業時間は平日16:00(土日祝12:00)~03:00(金土祝前日のみ05:00まで)と、スタッフの交代が発生する。要は、スタッフの入れ替えと共に、予約管理の担当者も変更となるわけだが、「誰がいつ、どの予約案件を対応し、変更記入は誰がおこなったか」という履歴をExcelシートのデータのみでは一目で把握できず、予約状況の共有が不十分なまま営業に入ることになる。

これらは、ダブルブッキングや予約変更の記入ミスに繋がり、「その日の来店者数や売上に影響を与えるだけでなく、お客様の信頼を失ってしまう深刻な問題」(長井氏)だという。「TableCare レストランアプリ」の導入は、予約管理の効率化が主な目的であるが、そこには「情報の一元管理によるブッキングミスの防止」への期待もこもっていると長井氏は言う。

TableCare レストランアプリは、専用のAndroidタブレットを用いて、ネットや電話からの予約と、その配席状況を一元管理するツール。集客機能として、飲食店検索・予約サービス「TableCareのポータルサイト」や「TableCareユーザーアプリ」を一般ユーザー向けに提供する。

TableCare レストランアプリ イメージ

加えて、これらサービスや導入済み店舗の公式サイト等に設けられた「予約ガジェット」の予約・空席状況は、店舗側のアプリがオンライン環境であれば、リアルタイムに自動で同期する。これにより、ユーザーは「今空いている」店舗を検索・利用することができる。

一方店舗側は、同アプリ上で電話やネットといったすべての予約情報を管理・共有できるほか、それらの情報を手間をかけることなくユーザーに提供することも可能なわけだ。

「当初、TableCare レストランアプリの導入のお話を頂いた際には、予約管理業務が効率化しミスも減ることに単純に魅力を感じたのですが、今は、新規客のリアルタイム集客にも期待しています。高円寺地域でお店を探しているお客様が、『あ、ここのお店今、席空いているじゃん』って足を運んでくれるようになれば、お客様にとってもすぐ入店できる利点があるし、私たちにももちろん、来店客数や売上の向上といったメリットがある。Win Winな関係を築くことができるんじゃないでしょうか」(長井氏)

取材時はまだ同ツールの導入前で、これから実際に運用を始めるわけだが、その期待値は大きい。予約管理ツールにより、スタッフ間だけでなく来店客とも、リアルタイムに情報が共有されていくのだ。