各社がIntelの次世代プロセッサ「Skylake」に対応するマザーボードを展示した今回のCOMPUTEX TAIPEI 2015。GIGABYTEブースでは、初日の段階でSkylakeに対応する100シリーズマザーボードを展示していたが、Intelが「Thunderbolt 3」を発表した後にいくつかのモデルが追加展示された。今回はこちらを中心にレポートしていこう。

COMPUTEXでは各社のブースを回ったが、Skylake対応の100シリーズマザーボードでは、USB 3.1のオンボードサポートおよびType-Cコネクタの実装がトレンドとなっていた。中でもひときわ目を引いたのはGIGABYTEで、USB 3.1 Type-Cはもちろん、Thunderbolt 3対応マザーボードも展示されていた。

まずは「GA-Z170X-UD5 TH」。GA-Z170X-UD5 THはGIGABYTEのスタンダードシリーズ「Ultra Durable」の最上位モデルとなり、PCI Express Gen3 x4接続のM.2(32Gb/s)、3本のSATA Express(16Gb/s)、HDMI 2.0出力端子(iGPU用)、そしてIntel製USB 3.1チップ(Alpine Ridge)を搭載するとされる。

Thunderbolt 3に対応するGA-Z170X-UD5 TH。PCI Express x16スロットに金属フレームが装着されており、最上段のスロット後部には外部クロックジェネレータ「Turbo B-Clock」のカバーが確認できる

USB 3.1 Type-Cコネクタはバックパネルに2基。USB 3.0×2ポートの下に搭載されている。Power Deliveryは36Wまで対応

GIGABYTEオリジナルの機能では、CPU統合型のものとは別にクロックジェネレータを搭載し、倍率固定のCPUでもBCLKを変えることでオーバークロックできる「Turbo B-Clock」、重量級マザーボードを搭載した際のたわみや、ノイズ混入防止(EMI対策)に効果があるという「Metal Shielding PCIe x16 slot」などを搭載している。

基本仕様としては、マルチGPU対応が3-way SLI&CrossFireまで、DDR4メモリスロットは4基(現時点ではサポートクロック不明)、SN比が115dBのHDオーディオ機能とオーディオアンプ、LEDトレースパス(オーディオ回路をマザーボード回路と分離するための部分で、KED発光するライン)を備えている。

Ultra Durableシリーズではそのほかに、上位モデルから順に「GA-Z170X-UD3」、「GA-Z170XP-SLI」、「GA-Z170X-SLI」、「GA-Z170-D3H」、「GA-Z170N-WIFI」が展示されていた。今回は全てがDDR4対応マザーボード。GA-Z170X-UD3やGA-Z170XP-SLIは、Thunderbolt 3に対応する。

また、これらに加え、GA-Z170X-SLIもType-Cコネクタを搭載している。エントリーモデルになるだろうGA-Z170-D3HやMini-ITXのGA-Z170N-WIFIは、USB 3.0対応のType-Cコネクタを搭載している。

スタンダードモデルとなる「GA-Z170X-UD3」。各機能をバランスよく搭載しThunderbolt 3対応のIntel USB 3.1 Type-Cも搭載

もうひとつのスタンダード「GA-Z170XP-SLI」。M.2スロットが1基となるほかはUD3に近いスペック。下位のZ170X-SLIに対し、「P」付きはThunderbolt 3に対応すると言う

「GA-Z170X-SLI」。このクラスからIntel USB 3.1ではなくなり、USB 3.0 Type-Cとなる

エントリークラスと言えそうな「GA-Z170-D3H」。ただしDDR3ではなくDDR4メモリを採用している。Turbo B-Clockにも非対応となる

Mini-ITXの「GA-Z170N-WIFI」。かなり多機能でGen3 x4のM.2スロットも搭載する。また、Type-Cコネクタも備えているが、こちらはUSB 3.0なので注意したい

ゲーミングモデルも従来モデルから機能強化を果たす

ゲーマー向けのGamingシリーズでは、「Z170X Gaming G1」、「Z170X Gaming GT」、「Z170X Gaming 7」、「Z170X Gaming 3」が展示されていた。機能で見ると、まずG1、GT、7の3モデルは多機能モデルとなっており、Gaming 3はエントリーモデルの位置づけだ。Thuderbolt 3については、Gamingシリーズ全てが対応しているわけではないが、今回の展示モデルは全て対応しているとされる。

最上位のG1は、Intel USB 3.1やType-Cコネクタ、HDMI 2.0、PCI Express Gen3 x4 M.2やSATA Express、Metal Shielding PCIe x16 slot、Turbo B-Clockなどをサポートする。また、Gamingシリーズ固有の機能としては、有線2系統、無線1系統のKiller LANを搭載する「Killer DoubleShot Pro X2」、SN比120dB以上をうたうCreative認定「Sound Baster ZxRi」、7色に可変可能な「7 Color LEDトレースパス」などを搭載。

Gamingシリーズの最上位モデル「Z170X Gaming G1」

そのうえでG1のみの特別な機能としてIR/Infineonの20フェーズのデジタルパワーデザインが採用され、水冷に対応するCPU電源回路のヒートシンク、「GC-M.2-MINI-SAS」(M.2に接続する「SFF-8639」変換アダプタ)、ピンヘッダとケース側ケーブルの接続を簡易化する「G-CONNECTOR」」がバンドルされている。

なお、GTはG1の特別機能を省き、さらにオーディオ機能のCreative Core3DがZxRiではなくソフトウェアとなる。Gaming 7はさらに「Q-Flash Plus」(CPU、メモリ不要のUSBメモリによるBIOSアップデート機能)が省かれる。

「Z170X Gaming GT」。主要な機能のほとんどに対応している

Gaming 3はさらに7-Color LEDトレースパスやHDMI 2.0端子が省かれ、オーディオ機能がCore3Dではなくなる。なお、マルチGPU対応は、G1のみが4-way SLI&CrossFire対応、ほかは3-wayまでとなる。

「Z170X Gaming 7」。GTとの機能差もそこまでなく、HDMI 2.0やCore3Dを使いたいなら狙い目

「Z170X Gaming 3」。機能面ではスタンダードと言えるまで絞り込まれるが、Thundernolt 3対応のIntel USB 3.1 Type-CやMetal Shieldingも搭載

X99マザーに搭載されたM.2→SFF-8639変換アダプタ「GC-M.2-MINI-SAS」

さて、Intel SSD 750シリーズが発表された際、2.5インチ型のモデルではSFF-8639というコネクタを採用とあった。SFF-8639は、PCI-SIGが仕様を策定中で、一般的に広まっている規格とはいえなかったのだが、IntelがSFF-8639を採用した「U.2」というフォーファクタを新たに発表し、マザーボードメーカー各社がM.2をU.2に変換するアダプタを準備することが明らかとなった。

GIGABYTEもSFF-8639をM.2に変換する「GC-M.2-MINI-SAS」を用意し、デモも行われていた。デモではアダプタがX99-SOC Championに装着され、Mini SASケーブルでIntel SSD 750 SFF-8639版と接続していた。

「GC-M.2-MINI-SAS」カードの拡大

Intel SSD 750と接続し、動作させていた

そのほか、BroadwellやSkylakeに話題を奪われがちだが、ハイエンドIntel X99マザーボードも趣向を凝らした展示があった。もちろん用途としてはハイエンドなのだが、Haswell-Eの豊富なCPU直結PCI Expressを活用した自作プランだ。

デモ機は、マザーボードがX99-UD4P、CPUには18コア/36スレッドのXeon E5-2699 v3を組み合わせ、GPUにはNVIDIA Quadro M6000、SSDにIntel SSD 750 PCI Expressカード版を搭載するといった構成。そしてデモ機で動いていたのは4Kビデオの編集だ。

4K映像の編集では、高いスペックが求められるのだが、それはエンコードの処理性能、そして映像を読み出し書き出す高速なストレージの両面である。まず処理性能ではQuadroグラフィックスカードのCUDAが、36スレッド対応のCPUでも不可能なリアルタイムでのエフェクト反映を可能とする。

次に書き出しや読み出しに関しては、PCI Express接続SSDのパフォーマンスがモノを言う。それもIntel SSD 750はPCI Express Gen3 x4製品だ。その性能を引き出すにはCPU直結のGen3スロットに挿したいが、CUDAのためのGPUに16レーンも必要となると、レーン数の限られるHaswellよりも、豊富なHaswell-Eの方が適しているわけだ。

X99-UD4Pをベースに構成された4K映像編集システム

CPUには36スレッド対応Xeon、GPUにはQuadro M6000、その下にPCI Express Gen3 x4接続のIntel SSD 750

NVIDIAのデモでも見た気がするが、CPUによるエンコードではエフェクトをかけても直ぐには反映されないが、QuadroでCUDAを活用すればリアルタイムで効果の確認ができる