肝心の新機能は?
iOS 9の新機能として噂されているのは、iPadでの画面分割だ。これはiPadを横持ちにしたとき、画面を横に2分割し、そこに縦画面でアプリを2本並べて表示するというもの。MicrosoftはWindows 10をタブレットで使用する際に分割画面モードを用意するようだし、Android M Developer Releaseでも似たような機能が搭載されているという。大型画面を搭載するiPadならではの機能になりそうだ。
また、ユーザーの切り替えが可能になるという噂もある。iPhoneのようにパーソナルな端末では難しいかもしれないが、iPadなら家族で使い分けるということもあるだろう。Touch IDなら指紋認証でログインできるので、パスワードを入力できない子供でも利用できる。実現すれば便利そうだ。
「マップ」アプリには、電車の乗り換え案内機能が搭載されるという噂がある。ただしすべての国・地域で実装されるわけではなく、日本で利用できるようになるのはしばらく経ってからとも言われている。日本では電車の乗り換え案内は歴史の古いサービスとして定着しており、そのアルゴリズムにも、各社独自のノウハウがある。Appleが独自に実装した場合、当面は頓珍漢なルートを案内して鉄道マニアに突っ込まれる、という「マップ」当初に見られたような混乱が目に浮かぶようなので、慎重に実装してほしいところだ。
そのほかとしては、Google Nowに相当する、位置情報や行動から推測して情報を提供する機能が搭載されるという噂もある。どういった形で搭載されるかは不明だが、たとえばSiriを通じて近隣の情報を紹介したり、通知センターに表示するといった形になるのだろう。こういった部分でもAndroidとiOSの類似性はどんどん高まっていきそうだ。
ユーザーレベルの機能ではないが、昨年発表された新開発言語「Swift」での「Application Binary Interface」(ABI)のサポートも有力な噂だ。ABIはアプリケーションが利用するコードの一部をあらかじめOS側が用意しておくというもの。Swiftで書かれたアプリはiOSが用意したコードライブラリを利用せず、個別に包有していたためサイズが無駄に大きくなってしまっていたが、これが改善され、容量が節約できることになる。
セキュリティ関連では、ユーザー権限を持っていても、システム周りの重要なファイルにアクセスさせないようにすることで、マルウェアの動作を制限する「Rootless」モードの採用が検討されているという。RootlessモードはOS Xにも適用されるが、iOSでは常時オンになるのに対し、OS Xではユーザーがオン/オフを切り替えられるようになるという。
OS Xについては、iOS 9と同様に全体的な最適化によるパフォーマンスの向上やRootlessモードの搭載などに加え、iOSの「コントロールセンター」が搭載される可能性がある。通知センターが画面の右端に表示されるのに対し、コントロールセンターは左端に表示され、再生中の音楽の操作や、メニューバー項目の一部を取り込むといったインターフェースの変更が行われることになる。ただし、これは見送られる可能性が高いとも言われており、どうなるかはわからない。