気象庁が大気中の二酸化炭素(CO2)濃度観測を続けている国内3カ所のうち、大船渡市三陸町綾里と沖縄県与那国島の観測地点で昨年の年平均値が初めて400ppmを超えた。

綾里が401.3ppm、与那国島が401.7ppmで、もう1カ所の観測地点、南鳥島は399.5 ppmとわずかに400ppmを下回ったものの、綾里、与那国島同様、過去最高を更新した。さらに今年4月の月平均値は3地点とも400 ppmを超し、過去最高を更新した。気象庁によると、前年と比べた年平均濃度の増加量(2ppm前後)は、近年の世界的な増加率と同程度という。

気象庁が大気中のCO2濃度観測を始めたのは、綾里が1987年からで、南鳥島は93年、与那国島は97年から観測を続けている。

気象庁は陸上3カ所に加え、海洋気象観測船による北西太平洋上の大気と表面海水中の観測も継続して行っている。今年冬季の北西太平洋上の大気中CO2濃度平均値は、402.4ppmで、昨年に続き 400ppmを超えた。表面海水中のCO2濃度の増加割合も大気中と同程度で、東経 137度線と東経165度線に沿ったそれぞれの観測海域とも、冬季に海洋が大気からCO2を吸収、蓄積していることを示唆する観測結果となっている。

神奈川県綾瀬市と南鳥島間の上空6キロメートル付近の航空機による大気観測では 、2015年4月のCO2濃度月平均値は 403.2ppmだった。

関連記事

「サミット向け各国学術会議の共同声明 首相に手渡し」