Android TVの最新動向に注目

このほか筆者がセッション一覧を眺めていて気になったことに、「Android TV」や「Google Cast」といったキーワードが多数見受けられたことが挙げられる。つい先日、ソニーら日本メーカーからもAndroid TV搭載モデルの発表が行われて話題になったが、この最新アップデートが基調講演でも報告されるとみられる。

Android TV搭載のブラビアがソニーから6月に発売される

またAndroid TVのセッションでは「ゲーム」や「アプリ作り」といった話題に加え、Google Castを使ってスマートフォンやタブレットのコンテンツを大画面TVに投影したり、これとゲームを組み合わせたコンテンツの制作など、興味深い話題もみられる。いずれにせよ、「TV」というのは今年のGoogle I/Oにおける大きなテーマの1つかもしれない。

最新の決済技術にも注目

今年3月にスペインのバルセロナで行われたMWCの基調講演において、米Googleプロダクト担当SVPのSundar Pichai氏が「MVNO参入とAndroid Pay」を予告していたが、前者は「Project Fi」の名称で4月に正式発表が行われ、後者のAndroid Payについても今回のGoogle I/Oで行われるとみられている。

Android Payについては不明点が多いが、おそらくはApple Pay対抗で、かつ複数のパートナーとの提携で「NFC決済」「オンライン決済」以外の要素を含んでくる可能性が高いと筆者はみている。例えば噂に出ているのは、店舗が提供しているロイヤリティプログラムとの連携だ。リアルでもオンラインでも、決済を行うタイミングで自動的に店舗ごとのロイヤリティプログラムが参照され、ポイント付与や行動履歴が残る仕組みのようだ。もともとはGoogle Walletが目指していた方向の1つだが、Apple Payが提携パートナーを増やす様子を横目に、より魅力的な形で強化していくのではないかとみられる。

またKitKatで導入されたHost Card Emulation (HCE)という仕組みでは、複数のカードブランドが支援表明を行い、実際にマネーカードでの展開事例が出てくるなど、地味ながらパートナーを増やしている。HCEは「セキュアエレメント(SE)」というハードウェアのセキュリティチップを内蔵せず、すべてソフトウェアで処理する仕組みを採用しており、この実装はSamsung Payのそれに近い。一方で、同社が買収したSoftcard (旧: ISIS)はSIMカード上のSE領域にカード情報を書き込むシステムを採用しており、このあたりの異なる2種類の技術をどう融和させていくのかが、Android Payにおけるもう1つのポイントかもしれない。