Apple Watchがやってきてから早や2週間。初日購入の皆さんはそろそろ腕に巻いているデバイスに慣れた頃だろうか。ファーストインプレッション記事では結構厳しいことを書いたが、使っていくうちに便利な部分もいろいろ分かってきた。今回はそんな使っている中から出てきたセカンドインプレッションをお届けしよう。

車を運転するときに便利!

筆者はこのGW、前半で福岡に行っていたのだが、カーナビのない車に乗ってあちこち移動するのにiPhoneでルート案内をさせていたが、これが殊の外便利だった。アップルの地図アプリは登場当初からいろいろと叩かれていたが、どうやら最近は結構賢くなったようで、目的地で検索するとちゃんと想定したルートを表示できるようになっていた。しかも交差点をひとつ間違えてもリルートができて、それがとても早い。

見やすく、早く、賢くなったiPhoneの地図によるルート案内。福岡では道を間違えることもなくかなり正確だった

そしてこのルート案内がApple Watchに送られてくるのだが、地図表示ではなく交差点名と方向の表示のみで見やすくまとめてあり、曲がるポイントの手前から音と振動で通知してくれる。音声ガイドはiPhoneでも出せるが、Apple Watchは左折と右折の音を微妙に変えることで通知する。しかも画面の案内も手首を返すだけで表示できるのがとてもいい。

このサイズでは見にくい地図ではなく曲がる交差点とそこまでの距離、方向のみを知らせる。情報が多すぎても見切れないのだからこれで良い

他にも電話に出るとか再生している曲を送るとか、ついiPhoneの画面を見てしまうなどの行為も、手首を返してApple Watchを見るだけ。これまでiPhoneをいちいち持ってロックを外して……とやっていたことが手首だけでできるのはとても便利で安全だ。車社会のアメリカだからこそ、この手の機能がしっかり搭載されているのかもしれない。

空港で自動チェックイン

今回、福岡往復に使ったのはPeach。PeachはまだApple Watchによるチェックインに対応していない(というかiPhoneも)のだが、メールに添付されたバーコードを使ったチェックインが可能だ。そこでメールに添付されていたバーコードを「写真」アプリに保存してApple Watchの「写真」アプリで表示。空港でバーコードリーダーを使って読み取ってチェックインができた。

iPhoneの「写真」.appにバーコードを保存して「お気に入り」に保存すると、Apple Watchの写真でも表示できるようになる

Peachはまだ正式には対応していないが、この状態でバーコードを読み込んでチェックインできた

実はすでにJAL、ANAのアプリはApple Watchに対応済み。JALのマイレージ登録をしていれば登場予定までのカウントダウン、当日のフライト情報、搭乗用のQRコードを表示できる。世界各国の航空機がこんな風に対応してくれると便利になるなと思うし、やはりSUICAなど交通系のカードがApple Payで利用できる世界はかなり便利になると思う。

JAL Countdown」アプリをiPhoneに入れ、マイレージバンク会員の登録をすると、次のフライトまでの時間などが表示される

Apple Watch上でもカウントダウン、フライト情報、QRコードが表示され、Apple Watchで搭乗まで可能だ

料理に使えるApple Watch

料理するとき、Apple Watchは結構便利だ。例えば煮込み料理は今まではキッチンタイマーで煮込み時間を計っていた。Apple Watchがあれば手首を返して画面を表示させ「Hey Siri」と呼び出し。「タイマー30分」と伝えればタイマーを仕掛けてくれる。煮込み中に仕事をしていても、時間になればちゃんとApple Watchが手首で反応して知らせてくれる。手首にあれば両手が塞がらないので、包丁を持っていたり手が濡れていても大丈夫だ。 ただSiriの反応が少し鈍かったり、考えたまま戻ってこないことがあるのはちょっと△。Apple Watchが使えるかどうかはSiriにかかっていると常々思っているので、ここはもっと賢くなって欲しいところだ。

手首を返して「Hey Siri」とSiriを呼び出し、「タイマー30分」でタイマーをセットしてスタートできる。iPhoneにも文字盤にも触らなくていいが反応が悪いことがある

料理で便利なのはもうひとつ、「クックパッド」がすでにApple Watchに対応している点だ。iPhoneで今夜の料理を検索して表示しておくと、Apple Watchでもそのレシピが表示できるようになる。材料と作り方が表示できるため、まず材料を見ながら買い物をして買い忘れを防止。キッチンでは工程をひとつずつスワイプして参照できる。Apple Watchはある程度耐水性があるので、少しくらい濡れた手で画面を触っても平気だ。

iPhoneの「クックパッド」アプリで今夜のレシピを検索しておく

Apple Watchの「クックパッド」アプリで表示できる

材料、調理手順が順番に表示できるので、買い忘れや調理中にiPhoneに手を伸ばす必要がなくなる

傷が付くのが気になってプロテクターを利用

情報では結構傷が付きやすいというSport。すでに文字盤に傷が付いたというTweetなども見かけるし、文字盤側から落として割れたという記事も見かけた。動きが割と乱暴な筆者としては、できるだけ早くカバーかプロテクターを着けたいと思っていた。そこで購入したのは、おそらく現状唯一のApple Watchプロテクター。ベルトを外してTPUのカバーの中に押し込み、ベルトを付け直して装着するが、なんとなくG-SHOCKになった感じ。Apple Watch本来のスマートさが感じられなくなるのはちょっともったいない気も。

これから関連商品はたくさん出てくると思うが、とりあえず普段使いはこれをしておこうと考えている。

Spigenの「Rugged Armor」という製品。TPUの柔らかい素材の中にApple Watchをベルトを外して押し込み、ベルトを着け直す

Apple Watchのスマートさはなくなるが、G-SHOCKのようなタフなイメージに見える

常に身に着けておくべきギア

以上、気が付いたことをいくつか書いてみたが、結局Apple Watchというのは「常に身に着けておくべきもの」ということが分かってきた。机に向かって仕事をするとき、電車や車で移動するとき、料理をするとき……とにかく寝るときとお風呂に入るとき以外は身に着けておくことで、iPhoneがいろいろなサポートをしてくれる。

例えば「アクティビティ」はスポーツをする人だけでなく、普通に身体を動かすムーブや立っていた時間を計るスタンドも計測する。着けている人が動かないことを検知して立ち上がるように即したりもする。ヘルスケアには心拍数が表示されるようになった。これもまた、身に着けているからこそ計測できるものだ。

iPhoneに自動的にインストールされたアクティビティアプリ。日々の動きを記録して、達成するとバッジをくれる

「ヘルスケア」アプリに心拍数が表示されるようになった。いずれはResearchKitあたりと連携するようになるのだろう

そんなわけで、筆者の中ではApple Watchが来る前や来た直後よりも、2週間使ったあとの方が印象は良くなった。ただ今までは仕事中は腕時計を外していたので、着けたまま作業するのには違和感がある。まぁ、そのうち慣れるだろう。