大企業に成り下がりたくない

次に、孫氏は「30年 ライフサイクル問題」という言葉を紹介。「どんなに成功した大企業も、30年でピークが来る。業界トップブランドのIT企業も、実質的な成長は30年で止まる」と説明した。これは「テクノロジーが古くなる、創業者が歳をとる、ビジネスモデルが古くなる」といった要因で生じるとのことだ。

「30年 ライフサイクル問題」に陥った企業は、30年で衰退する

孫氏は「ソフトバンクは、こうした“大企業”に成り下がりたくはない。それは最大の屈辱、最大の失敗を意味する。我々は、今後とも"最大のベンチャー企業"であり続けたい。これからも輝き、伸び続けていきたい」と言葉に力を込める。

企業が衰退する原因として、テクノロジーが古くなる、創業者が歳をとる、ビジネスモデルが古くなる、の3つのポイントを挙げた

そうした「30年 ライフサイクル問題」を解決するべく、ソフトバンクでは“革新的な起業家集団”であり続けることを目指すという。孫氏は「ソフトバンクでは、グローバルの様々な企業の筆頭株主になることで、世界の起業家とともに、パートナーとして一緒に経営を拡大し、ビジネスモデルを革新し、お互いにシナジーを出し合っていく」と説明。こうした経営方針は、世界でも珍しいモデルになるだろう、と語った。しかし、経営者が歳をとることだけは避けられない。そこで孫氏は、米Googleの経営陣の一人として活躍してきたニケシュ・アローラ氏を、自身の後継者に指名している

「ソフトバンクは、革新的な起業家集団であり続けたい」と孫氏(写真左)。自身の後継者として、ニケシュ・アローラ氏を指名した(写真右)