HBMの採用と第3世代のGCN

AMDは、今四半期中に市場投入される次期ハイエンドGPUに、いち早く次世代メモリインタフェースとして期待されているHBM(High Bandwidth Memory)を採用することを明らかにした。

HBMは、DRAMのダイ(半導体そのもの)を積層し、GPUコアなどとICパッケージ上で接続することにより、従来のメモリインタフェースより広い帯域を実現するもの。

同社で技術開発を統括するマーク・ペーパーマスター最高技術責任者兼技術開発担当上級副社長(Chief Technology Officer, Senior Vice President of TEchnology and Engineering)は、HBMの採用により、消費電力あたりのパフォーマンスは、現在グラフィックスカードで主流となっているGDDR5メモリに比べて約3倍に向上するとともに、消費電力も半分以下に抑えることができると説明。また、競合他社に先駆けて同技術を採用するで、4Kやヴァーチャル・リアリティといった分野のパフォーマンスを向上させるのにも役立つとアピールする。なお、スー氏によれば、同技術を採用したGPUは、第2四半期中に開催される業界イベントで正式発表され、同時に同社のグラフィックスカード製造パートナーから搭載製品が市場投入されることも明らかにしている。

さらにAMDは、2016年にGPUアーキテクチャの大幅な強化とパフォーマンスアップ、省電力性能の向上を果たす。ペーパーマスター氏は、2016年に投入を予定している、第3世代のGCN(Graphics Core Next)アーキテクチャでは、電力あたりのパフォーマンスを大幅に向上させるべく最適化が施されると説明。また、FinFETプロセス技術を採用することも手伝って、そのエネルギー効率は現行アーキテクチャの2倍に高められる見通しだと言う。

GPUでは、2016年に大幅にエネルギー効率を向上させた第3世代のGCNアーキテクチャ採用製品を投入する