NECおよびNECプラットフォームズは8日、4ストリームの11ac通信で最大1,733Mbps(理論値)の高速通信が可能なフラッグシップ無線LANルータ「Aterm WG2600HP」を発表した。

単体モデルとイーサネットコンバータセットを用意。価格はオープン。店頭予想価格(税別)は前者が20,000円弱、後者が39,000円弱の見込み。発売日は単体モデルが5月22日、イーサネットコンバータセットが6月4日。

Aterm WG2600HP

NECプラットフォームズ製無線LANルータ「Aterm」シリーズの最上位に位置付けられる新製品。4×4の送受信アンテナを本体に内蔵し、5GHz帯で最大1,733Mbps、2.4GHz帯で最大800Mbps(256QAM変調)の高速通信が可能となる。

また、MU-MIMO(Multi User-Multi Input Multi Output)技術に対応し、干渉しない複数の信号波を同時に送信することで、複数端末との同時高速通信が可能。同時利用で速度が低下しない最大接続台数は、スマートフォンの場合で3台、スマートフォンとノートPCの場合で各1台。いずれもMU-MIMOへ対応している必要がある。

MU-MIMOとは、接続端末の位置を検知し、端末がある方向に向け集中的に電波を発射することで電波強度や通信速度を上げるビームフォーミング技術を利用し、同一時間軸上で複数の端末と同時通信を可能とするIEEE802.11acで定義される技術。ビームフォーミング技術は、特定の方向以外へ電波を発しないため、近くの場所にある他機器の通信に干渉しにくい特徴がある。従来のSU-MIMO(Single User MIMO)技術では、複数の端末を接続する場合に1台ずつ順番に通信するため、複数台接続すると通信速度が落ちる場合があった。

本体内部には、世界最小クラスの「μSRアンテナ」と人工衛星用のGPS受信機に採用されているμEBG構造を採用。それぞれのアンテナが干渉しない仕組みを導入した。

「Aterm WG2600HP」は横置き、壁掛けにも対応

外観は新デザインを採用し、「曲げ木」をイメージした曲線的な形状。4本のアンテナを内蔵した11ac・4ストリーム対応無線LANルータにおいて、国内最小サイズを実現した。縦置きおよび横置き、壁掛けに対応する。

無線LAN簡易接続機能としては、QRコードを使う「らくらくQRスタート2」、NFCを使う「らくらくかざしてスタート」を備える。iOS/Android用アプリ「Atermスマートリモコン」にも対応し、本体設定やクイック設定Web画面の閲覧、インターネット接続を許可する曜日や時間帯を個別に設定しておける「こども安心ネットタイマー」機能が利用できる。

セキュリティ機能は、マルチSSID、ネットワーク分離、MACアドレスフィルタ、WEP(128bit)、WPA2-PSK(AES)、WPA/WPA2-PSK(AES)、WPA/WPA2-PSK(TKIP/AES)など。

有線LANインタフェースは、WAN側がGigabit Ethernet×1基、LAN側がGigabit Ethernet×4基。本体サイズはW38×D130×H181mm、重量は約0.6kg。背面のUSBポートは新たにUSB 3.0に対応した。