問題点は?

SIMロック解除が原則化され、どこの端末でも自由にキャリア間を移動できるとなると、最も懸念されるのが端末代の負担額の増加だ。現在は実質0円でiPhoneを含むハイエンド端末が入手できるが、これはキャリアがさまざまなかたちで端末代を負担しているため、実質負担額はゼロ円から数万円となるが、実際の端末代金は7~10万円程度になる。

ユーザーの囲い込みのための仕掛けであったSIMロックが使えないとなると、囲い込みを諦める代わりに、端末代の肩代わりも必要なくなる。結果的に端末代が高騰し、ユーザーが最新端末を次々乗り換えるようなことができなくなる可能性は高い。

また、SIMロックが解除されても、SIMを刺すだけで使えるとは限らない。現在でもドコモ網を使うMVNOキャリアで、APNを設定しないとテザリングが使えなかったり、au網を使うMVNOキャリアでiPhone(iOS 8以上)が利用できないといった問題が発生しているのだ。キャリアがSIMや端末を制御できる環境であれば、近くのショップ窓口で手厚いサポートが受けられるが、MVNOでそこまで手厚いサポートが受けられるところはかなり限られるだろう。

au網を使うMVNO、「mineo」はiOS 8に対応した最新のiPhone 6が利用できないまま。現在も問題は解決していない