OSやCPUがパワーアップ

Z4は、OSに最新のAndroid 5.0(Lollipop)を搭載している。これにより、Z3と比較して、シンプルでリズミカルな操作ができる。しかし、これはZ3がAndroid 5.0にバージョンアップすれば変わらなくなってしまうわけで、重要な違いではなかろう。

CPUには、Snapdragon 810(2.0GHz/1.5GHz、オクタコア)を搭載し、64ビットで処理できるようになった。これでかなりパフォーマンスは向上しているはず。しかし、言うまでもないが、日常的な普通の操作ではこのパワーを感じることはできない。Z3でも普通の操作ではスムーズそのものだったのだから。このパワーは後述するオーディオの機能やデジカメの機能で生かされているということだろう。

カメラやオーディオもパワーアップ

さて、今回のXperiaの進化は主にAV機能にあるようだ。その一部はパワーアップした処理能力のおかげで実現されているはずなので、やはり、処理能力の必要性を考えさせられる。

オーディオに関してはZ3の時点ですでにハイレゾオーディオに対応していたわけだが、Z4ではソニー独自のBluetoothのコーデック「LDAC」に対応している。

普通のBluetoothがSBCコーデックで328kbpsのデータ伝送しかできなかったのに対して、LDACでは最大約3倍の990kbps伝送できる。96kHz/24bitまでのデータも伝送可能。ちなみに、LDAC転送は送信、受信の双方がLDACに対応している必要がある。

会場にはLDAC対応の同社のスピーカーやヘッドフォンも用意されていたので試してみたが、なかなかにいい音だ。今後、LDAC対応機器の普及が進むかも知れないと思った。

Bluetoothでハイレゾオーディオを伝送できるソニー独自技術「LDAC」

LDAC接続のスピーカーデモ

また、Z4ならではの新機能として、有線接続しているイヤフォンなどを解析して自動的に高音質化する「自動最適化」機能がある。

この機能はイヤフォンなどに音を出して、その音の傾向を検知し、いい音になるように自動補正してくれるというもの。そのため、音にクセがありがちな比較的安価なイヤフォンほど効果があり、高級なイヤフォンほど(そもそも音がいいので)、効果が低いという。

手持ちの割と高級ではないイヤフォンで試したところ、たしかに音が補正されてマイルドでなめらかになる印象があった。高級なイヤフォン、ヘッドフォンでなくともいい音を楽しめるとはソニー、実にナイスである。

カメラ機能では「プレミアムおまかせオート」機能が料理にも対応し、料理がよりおいしそうに撮影できるようになったのがナイス。これからはオートのままで、料理も撮れる。しかし、Z4ではメインカメラよりも、自分撮りのためのサブカメラの進化が光る。映像素子が約510万画素にパワーアップしたのに加えレンズが25mmという広角になったために、より広いエリアを撮影できるのだ。これは背景を入れた撮影や、多くの人を入れて写真を撮影したい場合に便利そうだ。

背面のメインカメラ

Z4に搭載される自社製の積層型イメージセンサー