キヤノンの「EOS M3」は2,420万画素センサーを備えた同社ミラーレスの新顔だ。これまでに発売した「EOS M」と「EOS M2」からデザインを大きく変更し、新たにチルト可動式モニターを搭載。機能、操作性、画質まであらゆる点をブラッシュアップしている。前回の試作機インプレッション「ここが変わった! 「EOS M3」と「EOS M2」実機比較」に続き、今回はEOS M3製品版の使用感と画質をチェックしよう。
液晶モニターは上に180度、下に45度まで動くチルト可動式。ローポジションやハイポジションでの撮影のほか、自分撮りがスムーズに行える |
ボディ天面には、撮影モードダイヤルと露出補正ダイヤルを新搭載。シャッターボタンの横には、カスタマイズ可能な「M-Fn」ボタンを新設している |
構図とアングルのバリエーションが増える
まずは、春の花が咲き誇る昭和記念公園に出掛けてみた。1枚目の写真は、標準ズームの55mm側を使って、絞り開放のF5.6で写したもの。特に明るくはない一般的なF値の標準ズームだが、こうした近接撮影の場合には背景はほどよくぼけて、立体的な描写が得られる。
新搭載したチルト可動液晶は、写真に変化を与えるのに役立つ。下の写真は、カメラを低く構えて写したもの。同じくズームの55mm側での撮影だが、高い位置から撮った上の写真とは少し違った雰囲気が生まれた。
次もローポジションで撮影。逆光気味の弱い光を生かし、倒れかかった花の曲線美を狙った。ピントを合わせた部分はシャープに解像され、花びらの質感がリアルに再現されている。
ローポジション撮影に限らず、ハイポジションやハイアングルで撮る際も、チルト可動液晶が活躍する。下の写真は、開いたチューリップの花をほぼ真上から捉えたもの。外部ストロボの光を花の左側面から照射している。
同じくハイポジションを選択し、ポピーの花を撮影。キット付属の標準ズームレンズ「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」は最短撮影距離が短く、こうした花のクローズアップ撮影用にうってつけだ。