軽い、静か、長持ち
筆者の手元には、スペースグレーのMacBookが届きました。第一印象はとにかく軽くて静かということ。さほどサイズが小さい、と感じないのは、フルサイズのキーボードと、縁がより小さくなり、解像度も高いRetinaディスプレイの存在感からでしょうか。
Intel Core Mを採用し、ファンレスボディを実現したことで、既に取り払われていたDVDドライブ、ハードディスクを含め、大きめの回転する部品がなくなったのは、一つの象徴的な出来事です。結果、より薄いボディを実現しています。同時に、消費電力が多いRetinaディスプレイをまかなうために、大量のバッテリーをボディーラインに合わせて搭載する、という涙ぐましい工夫で、9時間という持続時間を実現しています。
ただ、より性能が高く、少し大きなRetinaディスプレイを備えるMacBook Pro 13インチも、バッテリ持続時間を9時間まで延ばしており、13インチMacBook Airはさらに長い12時間を実現しています。まあ、ここまで長いと、「十分電池が持つ」の一言で済ませたくなってくるほどですね。だって電池が持つと言うことは、出先でも仕事が続けられる、ということなわけで、9時間というスタミナは、やはり自分の集中力や目の疲れの方が先に来る数字だと思うわけです。
やはりMacBookシリーズは、充電器を持たずに外出し、バッテリーがなくなったら「もう仕事をしない!」と決めた方が良いのではないか、と。
馴染みのあるデザイン、マイナス1kgの破壊力
黒いMacBookを使っていた筆者にとって、「MacBookという名前」と、「黒いボディ」(正確にはスペースグレー)が用意されるだけで、懐かしさもあってかなり惹かれるものがあります。キーボードやディスプレイなどについては次回以降触れますが、ボディデザインは、スリムになったものの、MacBook Airを踏襲するもの、と捉えることができます。つまり、手前のパームレスト部分に最薄部があり、ヒンジ部分が最も厚みを持つ、側面から見ると三角形をしているデザインというわけです。左側面のUSB-Cについてはスルーしつつ、右側側面のヘッドフォンジャックを見ると、穴の直径に合わせて高さが設定されているようにも見えます。
もうヘッドフォンもBluetoothオーディオで良いじゃないか、という割り切りを見せれば、USB-Cのコネクタの高さまで、本体最厚部を切り詰める余裕もありそうな気もしてきます。次のMacBookなのか、その上位に位置するMacBook Airなのか、いずれにしてもヘッドフォンジャックの排除と薄型化は、もう少し進んでいきそうな気がしています。薄さももちろんですが、MacBookの軽さは、やはりMac史上に残る軽さ、と言えます。
これまで使って来た2012年モデルのMacBook Pro 15インチRetinaディスプレイモデルよりも、MacBook Pro 13インチのほうが約400g軽かったのですが、MacBookはMacBook Pro 15インチRetinaディスプレイモデルよりも1kg以上軽い計算。MacBookを入れたリュックは、さらに軽さを実感できます。カバンの中で延長ケーブルがくだを巻いているMacBook ProのACアダプタとは異なる、iPad用のようなACアダプタも軽いわけです。しかも、持ち始めて2日目からは、ACアダプタすら持たなくなってしまいました。「電池がなくなったらその日はもう仕事をしない!」。大切なキーワードなので2度目の登場ですが、断続的に使っていると、あまり電池、なくならないですね……。
話を戻すと、そもそもオプション品がないため、MacBookを1枚カバンに入れれば、Macを出先で使う上で他に持つものはありません。本体の軽さに加えて、拡張可能性が完全に取り除かれたことで、その他の持ち物もなくなった、というわけです。