マウスコンピューターの「m-Book K」シリーズは、第4世代インテルCore i3/i5/i7プロセッサを搭載したミドルレンジノートPCだ。NVIDIAのGeForce GTX 950Mを搭載することで、3Dゲームにおいても高い適性を備えている。15.6型というサイズに、予算に応じたCPUやストレージを搭載できる本シリーズは、最初の一台としても、買い換え用としても広く勧めやすいスタンダードなモデルといえるだろう。今回は「m-Book K」シリーズで最上位に位置する「MB-K630X-SSD」を借りられたので、詳しく見ていこう。
なお「m-Book K」シリーズには、今回借りた大容量SSD搭載モデル「MB-K630X-SSD」だけでなく、8万円台(税別)から購入できる標準モデル「MB-K630E」や、Core i5とデュアルドライブ(SSD+HDD)を搭載した「MB-K630B-BK2」など、多数のラインナップが取りそろえられている。もし今回紹介するモデルが予算オーバーになるなら、ラインナップ中の別モデルも検討するといいだろう。
Core i7と512GB SSDで、ビジネスやマルチメディア用途を快適に!
「MB-K630X-SSD」は、CPUに4コア8スレッドのインテルCore i7-4710MQを搭載したノートPCだ。動作クロックは2.5GHzとなり、ターボ・ブースト機能利用時には最大3.5GHzまでクロックが上昇する。そのコア数と動作クロックを活かせば、オフィス用途はもちろんのこと、動画編集や高解像度写真のレタッチといったマルチメディア編集でも高い性能を発揮してくれるだろう。メモリはDDR3L-1600となり、容量は16GB(8GB×2)。また「m-Book K」シリーズの最上位に位置する本モデルは、512GBという大容量のSSDを搭載している。ストレージがSSDのみという仕様のためか、動作時の体感速度はスペック以上に高く、その速度は本機がノートPCであることを忘れさせてくれる。実際に「CrystalDiskMark」でSSDの速度を見てみると、HDDとは比較にならない圧倒的な数値を確認できた。
CPU-Zで確認したインテルCore i7-4710MQ。ターボ・ブースト機能によって動作クロックが最大3.5GHz付近まで上昇する |
「CrystalDiskMark」によって512GB SSDのベンチマークテストを行った結果 |
その速度を数値化すべく、Windowsの動作速度の指針となる「Windowsエクスペリエンス インデックス」のスコアを「WinSAT」を実行して調べたところ、結果は以下のようになった。CPU周りの性能が現れるプロセッサ/メモリ項目は共に8.2。そしてSSDが使用されたプライマリディスクの数値も8.2だ。いずれの値もハイエンドデスクトップ並みのスコアとなっており、ストレスのない体感速度を裏付けた形となる。またPCの総合的な性能を測る「PCMark8」においても、そのスコアは高い。ベンチマークが終了するまでの時間も30分強に収まっており、きびきびとした動きを実感することができた。なお、「Windowsエクスペリエンス インデックス」のグラフィックス2項目のスコアや「PCMark8」のCasual GamingのFPSが低めになっているのは、これら計測ではCPU内蔵グラフィックス機能であるインテル HD グラフィックス 4600が有効になっているためだ。
Windowsエクスペリエンス インデックス スコア | |
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プロセッサ | 8.2 |
メモリ | 8.2 |
グラフィックス | 5.9 |
ゲーム用グラフィックス | 5.7 |
プライマリディスク | 8.2 |
Futuremark PCMark8 Home accelerated 3.0 | |
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Your Home accelerated 3.0 Score | 3506 |
Web Browsing - JunglePin | 0.325 s |
Web Browsing - Amazonia | 0.137 s |
Writing | 3.81 s |
Photo Editing v2 | 0.259 s |
Video Chat v2 / Video Chat playback 1 v2 | 30.0 fps |
Video Chat v2 / Video Chat encoding v2 | 33.0 ms |
Casual Gaming | 28.7 fps |
Benchmark duration | 36min 40s |
ゲームもバリバリ動く! NVIDIA GeForce GTX 950Mの底力
「m-Book K」シリーズ、最大の特徴は、3Dグラフィックス機能として「NVIDIA GeForce GTX 950M」を搭載していることにある。3Dグラフィックス処理能力があまり求められないオフィス用途では、CPU内蔵グラフィックスであるインテル HD グラフィックス 4600が動作するが、GPGPU(CUDA)を利用したマルチメディア処理や、3Dゲームを動作させる際にはGeForce GTX 950Mが代わりに処理を受け持つ仕組み。2つのGPUを使い分けている理由は、省電力化。処理能力の高いGPUは消費電力も大きいため、通常はCPU内部だけで処理を済ませて消費電力を抑えているというわけだ。
マウスコンピューターの通常ラインナップである「m-Book K」シリーズに属していることもあり、本機は決してゲーミングモデルではない。とはいえ、NVIDIA GeForce GTX 950Mを搭載しているということは、3Dゲームを十分に遊べるだけの性能を備えているはずだ。3D処理能力を総合的に計測する「3DMark」の中で、最も負荷の高い「Fire Strike」3種類を実際に試したところ、解像度さえ欲張らなければかなりのゲームが動きそうなことがわかった。
Futuremark 3DMark | |||
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項目 | Fire Strike 1.1 |
Fire Strike Extreme 1.1 |
Fire Strike Ultra 1.1 |
3DMark Score | 2951 | 1501 | 352 |
Graphics Score | 3290 | 1547 | 295 |
Physics Score | 9163 | 8304 | 8348 |
Combined Score | 1059 | 613 | 362 |
Graphics Test 1 | 15.99 fps | 8.04 fps | 3.98 fps |
Graphics Test 2 | 12.94 fps | 5.78 fps | 0.77 fps |
Physics Test | 29.09 fps | 26.36 fps | 26.50 fps |
Combined Test | 4.93 fps | 2.85 fps | 1.69 fps |
また、拡張パック「蒼天のイシュガルド」やDirectX11版を前にして、話題沸騰中の「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」を試した結果は以下の通り。フルHDの最高設定において"快適"なスコアを達成することができた。よりGPUへの負荷の小さい「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」ではフルHDの最高品質でも10000近いスコアとなり、"とても快適"という評価となる。これならば、最新の3Dゲームでも解像度や設定を変えることで動作が可能なはずだ。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 | ||
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設定 | スコア | 評価 |
1280×720【高品質(ノートPC)】 | 9105 | 非常に快適 |
1280×720【最高品質】 | 7225 | 非常に快適 |
1920×1080【高品質(ノートPC)】 | 4922 | 快適 |
1920×1080【最高品質】 | 3750 | 快適 |
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.10 | ||
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設定 | スコア | 評価 |
1280×720【標準品質】 | 15611 | すごく快適 |
1280×720【最高品質】 | 15039 | すごく快適 |
1920×1080【標準品質】 | 11929 | すごく快適 |
1920×1080【最高品質】 | 9816 | とても快適 |
最近は、「Steam」や「Origin」といったプラットフォームによって、過去のゲームを安価に購入できる機会が増えている。最新のゲームはまだまだデスクトップPCでしか遊べないが、2~3年前のゲームならば本機でも十分にプレイ可能。グラフィックスもまだまだ見劣りなどしない。セールで購入した「Steam」のゲームをプレイしないまま"積んで"しまっているユーザーは少なくないはず。ちょっとした外出先でもゲームを遊ぶことができる、本機のようなPCを所有していれば、そんな積みゲーを消化することもできそうだ。