初めて、ディスプレイをサイズダウンする、という経験

自分の短いMacBook歴をふりかえってみると、もしかしたら今回検討しているMacBookとMacBook Pro、いずれの場合でも、「初めてディスプレイのサイズを小さくする」経験になるかもしれません。

12インチのiBook(G3)から使い始めた筆者は、カチッと固いボディとサイズ感、カッコいいキーボードが好きだったPowerBook G4 12インチ、その後デスクトップ中心の暮らしを経て、MacBook(黒)、MacBook Airと13インチを乗り継ぎ、MacBook Pro 15インチ、そしてRetina化されたMacBook Pro15インチという変遷を辿ります。

12インチから始まって、13インチ、15インチと、だんだん画面サイズが大きくなっていく経験をしてきました。MacBook Pro 15インチ以降はデスクトップとの併用をしなくなり、メインマシンとして15インチのディスプレイを選んだという経緯もあります。今後もデスクトップを選ばないかもしれません。その前提でディスプレイのサイズダウンという経験がどうなるか。今回の13インチMacBook Proでサイズダウンがどうなのか、体験したかったのです。

小さいディスプレイで大丈夫だった

結論から言うと、15インチから13インチのサイズダウンについて、大きなストレスを感じることはありませんでした。一応条件として、東京への出張中で、普段の仕事場のデスクではない、という違いはあります。それでも、高精細なRetinaディスプレイと、解像度の変更によって必要な時に必要な広さを利用できる利便性もあり、ディスプレイが小さくなったことへの不満は感じませんでした。

また、ミーティングなどでは、視界を遮る板の面積も減るため、サイズが小さなノートブックのメリットも感じることができました。その点では、12インチのMacBook、11インチのMacBook Airは、より人と話しながら使いやすいマシン、ということになるでしょう。しばらくの使用を通じて、最近の筆者のアプリを使う際のスタイルが、不便さを減少させているのではないか、と考えるようになりました。

全画面アプリのスタイル

それは、アプリを全画面表示で使う機会が増えた、ということです。Macのアプリはこれまでも全画面表示が可能でしたが、現在のOS X Yosemiteでも、ウィンドウなどのインターフェイス表示を隠し、画面一杯にアプリの作業領域を広げるiOSアプリのような使い勝手を実現しています。

全画面アプリを中心に使っていることから、画面サイズが15インチから13インチになってもあまり大きな影響がなかった、という気づきが得られたのは収穫でした

もちろん広い作業領域にウインドウをいっぱい開いて、という使い方も時には便利ですが、例えば原稿を書いたり、アイディアのメモを作ったり、ニュースを読んだり、ひたすらメールを書いたりする時、他のウィンドウ(=邪念)を取り払う意味で、全画面表示を愛用しています。

こうしている今も、「iA Writer Pro」というテキストエディタアプリを使って原稿を書いていますが、全画面表示をしていて、目の前には真っ白な画面と、フォント変更すらできない、自分が入力した文字列だけがひたすら表示されていくだけです。こうした使い方を前提にすると、さほど「画面が大きい方が素晴らしい」という価値観がなくなってしまいます。それ以上に、特に筆者の場合、Retinaディスプレイで文字がキレイに表示される気持ち良さの方が優先。その点で、12インチという新しいRetinaディスプレイの選択肢がMacBookによって増えることは歓迎すべきかもしれません。