カタログでは1時間だが……

物事には「頃合い」というものがあります。あるいは「過ぎたるは及ばざるがごとし」とも言います。MacBook Pro 13インチのバッテリーと付き合うと、こうしたフレーズが浮かんできてしまいます。

確かに、これまでの技術発展の歴史においては、モバイルデバイスにおけるバッテリーに限っては、あればあるだけ素晴らしい、という価値観もありました。しかし昨今のスマホでは、厚さと重量を決めるのはバッテリーの容量次第。それは新しいMacBookシリーズでも同じことです。同時に、画面が大きなデバイスは、本体自体の容積が大きくなるだけにディスプレイの消費以上にたくさんのバッテリーを搭載できます。

MacBook Proの紹介ページでも「より長時間駆動するバッテリーを搭載」と謳い文句が

15インチよりも13インチの方がバッテリーの持続時間が短いのは搭載できる容積の問題ですが、昨今のプロセッサの省電力性の向上から、バッテリーの容量が増えなくても、持続時間は長くなっています。MacBook Pro 13インチも、1時間の向上となり、カタログ値で9時間となりました。普通カタログ値はそれより短くなるというイメージが強いのですが、MacBook Proの場合、若干長くなる印象が強いです。

これが10時間は持ってしまうとなると、充電なしで仕事ができなくなるのは筆者の方が先、という事態がMacBook Proでも発生してしまいそうです。

500gの違いは大きい……

画面サイズの減少がさほどの問題にならない、ということが使っていてわかってきたMacBook Pro 13インチモデル。画面のサイズダウンができるなら、筆者にとってもう1つの、大きなメリットがありました。それは500g軽くなることです。

荷物を極力減らすよう努めていますが、それは15インチのMacBook Proを持ち歩くためでもありました。そうした中で、ノートパソコンの重さが約3/4になるなら、インパクトも十分。新調したバックパックでも、その差を大きく感じることができるほどの違いでした。この重さの違いは戻れないですね。Retinaディスプレイといい、軽さといい、感覚的に「こりゃ戻れない」と思うと、もうだめです。

ちなみに、MacBookは、13インチのMacBook Proからさらに600gほど軽くなることになっています。15インチからは1kg以上。この差にもまた注目しておきたいと思います。

松村太郎(まつむらたろう)
ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を執筆している。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師、コードアカデミー高等学校スーパーバイザー・副校長。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura