日経BPコンサルティングは3月27日、ブランド価値評価調査「ブランド・ジャパン2015」の結果を発表した。

ブランド・ジャパンは、一般消費者やビジネスパーソンが興味を示しているブランドをランキング形式でまとめたもので、2015年で15回目となる。「BtoC編」「BtoC編」の2つで構成されている。2014年11月~12月にかけて調査が実施され、回答者数は約5万4000人。

セブン-イレブンがBtoC編で首位

BtoC編「総合力」ランキングの首位は、91.7ポイントのセブン-イレブンで、初めての首位。スコア別に見ると、「フレンドリー(親しみ)」で15.4ポイント、「イノベーティブ(革新)」で13.4ポイント、「アウトスタンディング(卓越)」で12.6ポイントが前回調査より上昇している。また、「コンビニエント(便利)」で、初めて第1位を獲得した。

また、プライベートブランド「セブンプレミアム」も144位にランクインした。149位のイオンの「トップバリュ」を抑え、プライベートブランドの中ではトップとなった。さらに、2013年1月から始まった「セブンカフェ」も好調を維持し、2014年度は、前年の年間販売数、約4億5千万杯を9カ月で突破した実績を持つ。

第2位はYouTube、第3位は日清食品

2位は、動画共有サービスのYouTubeで、こちらも前回からランキングを上げている。注目すべきは「最近使っている」のポイントは53.3%で、同項目内でトップとなった。日経BPコンサルティングでは、「好きなことで、生きていく」というキャッチコピーが功を奏し、今回の結果につながったと分析している。

続く3位は日清食品がランクイン。これまで食品業界のブランドでは、自身の第5位(2011)が最高位であったが、今回はそれを更新した結果となった。「カップヌードル トムヤムクンヌードル」などのヒット商品が登場し、各地で品切れも起こった。

2013年に商品の開発プロセスを短縮する体制を整えたことで、短期間で魅力的な商品を次々と販売したことが「イノベーティブ」スコアの上昇につながったほか、ファンを惹きつける商品を次々と生み出したことが「フレンドリー」スコアが上昇したと分析している。

ハードウェア系のブランドは減少

トップ10にランクインするハードウエア系ブランド(家電、AV・IT機器、自動車など)の数が減少しており、2010以前は4~6ブランドが登場していたが、2011以降は1~2ブランド程度だという。今回は、第9位タイにアップルがランクインしたのみ。ハードウエア系ブランドの多くが、消費者の興味、関心を、うまく惹きつけられていない現状が浮き彫りになっているとしている。

「総合力」上昇ランキング首位はユニバーサル・スタジオ・ジャパン

前回から最も「総合力」が上昇したのは「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」。前回から19.0ポイント上昇し、79.5ポイントを獲得し12位となった。項目別では、「イノベーティブ」と「アウトスタンディング」の2つがスコアを多く上昇させており、「イノベーティブ」では首位を獲得した。

2014年7月にオープンした新アトラクション「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」は、米国に続き世界で2カ所目。映画「ハリー・ポッター」シリーズの世界を魅力的に忠実に再現し、消費者の注目を集めた実績を持つ。

BtoB編はトヨタ自動車が4年連続の首位

BtoB編の1位はトヨタ自動車で、2位を20.6ポイント引き離して4年連続で首位となった。「人材力」でも首位を獲得し、「先見力」でも2位に入っている。

2位はセブン-イレブンで「先見力」で第4位となり、「人材力」と「活力」での評価も向上した。3位は全日本空輸。前回の第12位が自身の過去最高位であったが、今回「人材力」の評価が28.3ポイント上昇sた。トヨタ自動車に次ぐ第2位を獲得したことが「総合力」向上の決め手となった。

企業活動全体のイメージを評価するBtoB編の結果を俯瞰すると、社会の変化に対する適応力ともいえる「先見力」と「人材力」で先頭を走る企業が「総合力」トップでも名を連ねた。

また今回は、消費税率引き上げ後の調査であり、BtoC編、BtoB編共に、消費マインドや社会の変化にあわせて、いち早く柔軟に対応し、変化・成長した企業が、魅力的なブランドとして消費者に映ったのではないかと考えられると、まとめている。