成熟しつつあるスマートフォン市場で、新たな話題の中心になっているのが"格安スマホ"だ。キャリアよりも低料金で利用できることが特長の格安スマホだが、名前は聞いたことはあるものの、詳しくはよく分からないという人も多いかもしれない。

そこで本稿では、格安スマホがどんなもので、キャリアのスマートフォンとどう違うのかを詳しく解説していきたい。また、実際に格安スマホへ移行する際に、おすすめのサービス・端末についても紹介していこう。

いまさら聞けない格安スマホの基本を詳しく解説する

そもそも「格安スマホ」って…?

通常、スマートフォンを利用するには、NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクといった主要キャリアと契約することになる。ところが、キャリアのスマートフォンでは、月額料金が6,000~7,000円や、それ以上になる場合もあるなどと高額だ。そのため、高額な月額料金を理由に、スマートフォンへの移行を諦めていた人もいるだろう。

そこで、注目を集めているのが、キャリアよりも低料金で通信サービスを利用できる格安スマホだ。スマートフォンや携帯電話では、"SIMカード"という小型のカードを装着することで音声通話やデータ通信が可能になるが、格安スマホではキャリアのSIMカードではなく、MVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる通信事業者が提供するSIMカードを利用する。MVNOはキャリアのネットワークを借りて通信サービスを提供しており、このMVNOのSIMカードがいわゆる"格安SIM"であり、MVNOの通信サービスのことを"格安SIMサービス"または"MVNOサービス"という。

MVNOサービスでは、SIMカードのみを単体で提供する場合が多いが、中にはSIMカードとスマートフォンをセットで提供しているサービスもある。SIMカードのみを提供するサービスの場合、自身でSIMフリースマートフォンなどの端末を用意する必要がある。そのため、端末とSIMカードを一緒に揃えたいのであれば、スマートフォンをセットで提供しているサービスを選択するのがよいだろう。

格安SIMには、データ通信専用のSIMカードと、データ通信に加えて通話も利用できる音声通話SIMの大きく分けて2種類がある。音声通話SIMを利用すれば、キャリアと同様に090/080/070番号を使って通話できるため、キャリアのスマートフォンや携帯電話から格安スマホへの移行を検討している人には、音声通話SIMがおすすめだ。

また、キャリア間の乗り換えでは、現在使っている電話番号のままで他キャリアに移行できるMNP(携帯電話番号ポータビリティ)が広く知られているが、MNPに対応したMVNOサービスもあるため、キャリアで使っていた電話番号をそのまま使って格安スマホに乗り換えることも可能だ。

なお、格安スマホはキャリアの提供するサービスではないため、「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」「@softbank.ne.jp」といったキャリアメールをはじめとするキャリア独自のサービスは利用できない。もっとも、「LINE」や「Gmail」などを利用すれば、キャリアメールの必要性はさほど感じないだろう。

格安スマホというと、とにかく"安い"というイメージが先行しがちだが、SIMカードとスマートフォンをセットで提供していたり、音声通話やMNPに対応するサービスもあるなど、キャリアのスマートフォンから違和感なく乗り換えられる土壌が整ってきている。また、MVNOには、OCNやIIJ、BIGLOBE、U-NEXTなど、インターネットプロバイダを中心にさまざまな事業者が参入しており、各社がそれぞれ特徴のあるサービスを提供している。MVNO各社が提供するさまざまなプランの中から、自身の使い方に合わせて最適なプランを選べるのも、格安スマホの魅力と言えるだろう。

ネット使い放題プランも! 「U-mobile」で自分に合ったプランを探そう

格安スマホを利用する際に、まず検討すべきは、どのMVNOのプランが自身の使い方に合っているかだ。スマートフォンも一緒に購入したい場合や、とにかく低料金に抑えたい場合、データ通信をたくさん利用したい場合など、重視するポイントは人それぞれで異なるだろう。そのため、さまざまな選択肢を用意しているMVNOサービスからチェックしていくのがおすすめだ。

U-NEXTが提供するMVNOサービス「U-mobile」

MVNOサービスの中でも、2段階定額制の「ダブルフィックスプラン」や、月間の高速データ通信量の制限がない「LTE使い放題プラン」など、ユニークなプランを提供しているのが、U-NEXTの「U-mobile」。U-mobileは、NTTドコモのLTEサービス「Xi(クロッシィ)」と3Gサービス「FOMA」に対応した通信サービスで、利用エリアはドコモと同様。通信速度は下り最大150Mbps/上り最大50Mbps(理論値)となっている。

U-mobileでは、データ通信専用の「U-mobile データ専用」、音声通話に対応した「U-mobile 通話プラス」というSIMカード単体のプランに加え、スマートフォンとSIMカードをセットにした「スマホセットプラン」も提供。SIMフリースマートフォンやドコモの中古スマートフォンをすでに持っていて、SIMカードのみを契約したい人はもちろん、スマートフォンとSIMカードを一緒に揃えたい人にも利用しやすいサービスと言える。

U-mobileの音声通話SIM単体の料金プラン

音声通話SIM単体のU-mobile 通話プラスでは、月間の高速データ通信量に応じて4つの料金プランを用意している。

普段はあまりデータ通信を使わない人であれば、2段階定額制の「ダブルフィックスプラン」がおすすめだ。同プランでは、通信量が月間1GB以下で月額1,480円(以下、料金はすべて税抜)、月間1GB超3GB以下で月額2,480円となる。データ通信をあまり使わなかった月は最低料金の1,480円に抑えることができ、使い過ぎても上限は2,480円となるため、安心してデータ通信を利用することができる。なお、通信量が3GBを超過した場合、当月末まで通信速度が128kbpsに制限される。

一方、ネット動画を視聴することが多いなど、普段からデータ通信をよく使う人には、月間の高速データ通信量の制限がない「LTE使い放題プラン」が最適だ。同プランは月額2,980円で高速データ通信が使い放題になり、月間の総量制限がないことが特長。

なお、U-mobileでは、他の利用者の通信に影響を与えるような大容量の通信と当社が確認した場合、通信速度の制限を行うとしており、全く制限がないわけではない。だが、常識的な使い方であれば、通信量を気にすることなく高速データ通信を利用することができるだろう。

このほか、U-mobile 通話プラスでは、通信量が月間1GBで月額1,580円のプラン、月間3GBで月額1,980円のプランを提供している。なお、いずれのプランでも、通話料は定額ではなく従量制で、通話するごとに20円/30秒がかかる。ただし、同プラン専用の通話アプリ「U-CALL」を利用すれば、10円/30秒(不課税)と通話料を半分に減らすことが可能。

たとえば、ドコモの新料金プランでは、通話料は定額だが、高速データ通信量が月間2GBのプランで月額料金は合計6,500円となる。そのため、通話料を考慮したとしても、U-mobileの利用料金がいかにリーズナブルかおわかりいただけるだろう。

スマホセットプランでは4機種をラインナップ

また、U-mobileのスマホセットプランでは、SIMフリースマートフォン4機種を提供している。提供されている端末は、指紋認証機能などを備えたハイスペックなスマートフォン「Ascend Mate 7」(ファーウェイ製)、SIMフリースマートフォンとしては国内で1番人気の「ZenFone 5」(ASUS製)のほか、4.5インチで手頃なサイズ感の「Ascend G6」(ファーウェイ製)、LTE非対応だが低価格帯の「freetel priori2」(プラスワンマーケティング製)。低価格帯からハイスペックな端末まで、幅広いラインナップを揃えている。

ファーウェイ製のSIMフリースマートフォン「Ascend Mate 7」。指紋認証機能などを備えたハイスペックな端末だ

ASUS製のSIMフリースマートフォン「ZenFone 5」。U-mobileでは、ブラック、ホワイトのみを提供している

端末代金は一括払いまたは分割払いを選択可能。分割払いの場合、前述の音声通話SIM単体の月額料金に加えて、24カ月間は端末代金の分割支払金がかかる。たとえば、ZenFone 5でダブルフィックスプランを利用する場合、分割支払金を加えた合計料金は月額2,580円から。また、ZenFone 5でLTE使い放題プランを利用する場合、合計料金は月額4,080円となる。なお、25カ月目以降は、SIM単体の月額料金と同様になる。

通常、SIMフリースマートフォンを自身で用意する場合、端末代や利用料などをあわせ、初期費用として3万円程度が一度に必要になる。しかし、U-mobileのスマホセットプランを利用すれば、初期費用を抑えて端末を購入できるため、お財布にもやさしいと言えるだろう。

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本稿でも見てきた通り、格安スマホはキャリアよりも低料金で利用できるだけでなく、さまざまなサービスから自身の使い方に合わせて最適なプランを選択できることが魅力だ。とりわけ、MVNOサービスのU-mobileでは、スマートフォンとSIMカードのセット提供を行っているほか、2段階定額制プランやLTE使い放題プランなどを用意しており、自身に合ったプランを探すことができそうだ。なお、U-mobileのWebサイトでは、トップページの"かんたん料金診断"で自身におすすめのプランをチェックすることができる。格安スマホを検討している人は、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。