日商エレクトロニクス マーケティング本部 第ニマーケティング部 部長 榎本瑞樹氏

日商エレクトロニクスは3月11日、日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)のワークロード特化型コンバージド・インフラストラクチャ「HP ConvergedSystem」を対象とした導入前アセスメント・導入支援・運用支援サービスの提供を開始すると発表した。

今回、日本HPが3月3日に発表した「HP ConvergedSystem 200」と「HP ConvergedSystem 700」を販売開始するとともに、同社の仮想化基盤ソリューション「Nissho-Blocks」に両製品を取り入れ、サービスのラインアップを拡充する。

日商エレクトロニクス マーケティング本部 第ニマーケティング部 部長の榎本瑞樹氏は、「Nissho-Blocks」について、「"コンバージド・インフラ"をベースに価値の高いインテグレーションサービスを提供する仮想基盤ソリューション」と説明した。

「Nissho-Blocks」のラインアップには、「VDI powered by Nissho-Blocks」と「Server Virtualization powered by Nissho-Blcoks」がある。前者は、Citrix XenDesktopやVMware Horizon Viewをベースにした「モバイルワークスタイル」を実現するソリューションで、後者は、VMware vRealize Operations Managerをベースにした「仮想基盤の運用管理の効率化」を実現するソリューションだ。

榎本氏は、「VDI powered by Nissho-Blcoks」の特徴として、運用管理ツールとして米Liquid Labsの「Stratusphere UX」を採用していることを挙げた。同氏によると、仮想化ソフトウェアの2大ベンダーであるシトリックス・システムズもヴイエムウェアのコンサルタントもこのツールを活用しているという。同ツールを使うと、「サイジングを行う際に必要なデータを取得できるとともに、VDI導入後の稼働状況をモニタリングできる」と同氏。

こうしたNissho-Blocksの下、「HP ConvergedSystem」向けのサービスとして、「デスクトップ仮想化」と「サーバ仮想化基盤」を対象に、導入前のアセスメントから導入後の運用支援までをカバーした包括的なサービスが開始される。

「HP ConvergedSystem」向けのサービスの概要

「デスクトップ仮想化」向けのサービスとしては、「VDIアセスメントサービス」と「VDI健康診断サービス」が提供される。「VDIアセスメントサービス」では、導入前の環境を把握すし、VDI環境への適合性の判断と最適なVDI基盤環境を構築するためのサイジング指標を算出する。「VDI健康診断サービス」では、運用開始後、VDI上の環境をモニタリングして、各PCのパフォーマンスや運用上の問題点を検出する。

榎本氏によると、Liquid Labsのツールでアセスメントを実施してからVDIを導入するようになって、トラブルが減ってきたという。さらに同氏は、「この1年、VDIを構築することは簡単だが、快適に使い続けることは難しいことを痛感している」と語った。

「サーバ仮想化」向けのサービスとしては、「サーバ仮想化アセスメントサービス」「P2V移行サービス」「サーバ仮想化健康診断サービス」が提供される。「P2V移行サービス」では、仮想化されていないサーバをVMware ESXiによる仮想化環境にベストエフォートで移行するもの。

また、データマネジメント向けサービスとしては、「VMプロテクション&マネージメントサービス」が提供される。このサービスは、CommVault Simpanaを用いたバックアップ/アーカイブシステムを提案する。

左から、「デスクトップ仮想化」向けのサービス、「サーバ仮想化」向けのサービスの概要

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 兼 コンバージド・システム事業部 事業部長 橘 一徳氏

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 兼 コンバージド・システム事業部 事業部長 橘一徳氏からは、日本HPがコンバージド・システムを提供する意義について説明があった。

橘氏は「今日は、モバイルやビッグデータの広がりにより、コンピューティング・リソースへの要求が高まっている。こうした要求にこたえていくことは、ハードウェアの台数が増え、システムの複雑さが増すことを意味する。一方で、企業は業務やアプリケーションに対しよりフォーカスしており、シンプルなシステムを短時間で立ち上げ、さらには拡張性を持っている必要がある。こうしたニーズにこたえるシステムがコンバージド・システムとなる」と述べた。

橘氏によると、現在のシステムは、サーバ、ストレージ、ネットワーク、管理ソフトなどが部分最適化された形で利用されているが、今後、限界が来るという。そこで、必要となるのが、各種ITリソースが統合・全体最適化された「Compute」であり、それを具現化するのがコンバージド・システムとなる。

日本HPはコンバージド・システムの戦略として、「クラウド」「ソーシャル」「ビッグデータ」「モビリティ」という4つのワークロードに最適化した製品をそろえていくという。