NTTドコモは25日、東京・丸の内にあるドコモラウンジ(千代田区有楽町)にて、LTE-Advanced技術を利用した次世代通信「PREMIUM 4G」に関する記者説明会を開催した。PREMIUM 4Gにより、ドコモユーザーは国内最速となる下り最大225Mbpsの超高速通信が利用できるようになる。同サービスの提供開始は3月27日を予定している。

国内最速の下り225Mbpsを実現するドコモの「PREMIUM 4G」。JR有楽町駅から徒歩3分の立地にあるドコモラウンジには、その速さを体験できるスペースが準備される(写真左)

PREMIUM 4Gによるメリットとは?

記者説明会には、NTTドコモ 取締役常務執行役員の大松澤清博氏が登壇した。PREMIUM 4Gには、LTE-Advancedの技術のひとつであるCA(キャリアアグリゲーション)を利用。2GHz帯と1.5GHz帯、または800MHz帯と1.7GHz帯という異なる2つの周波数帯域をこのCAで束ね、下り最大225Mbps/ 上り最大50Mbpsの超高速通信を実現する。

NTTドコモの大松澤清博氏(写真左)。2MHz帯と1.5GHz帯、または800MHz帯と1.7GHz帯をCAで束ね、下り最大225Mbpsを実現する

PREMIUM 4Gを構成する技術のひとつが前述のCA。これに「アドオンセル」を組み合わせた高度化C-RANにより、「速さ」と「快適さ」を両立させる

PREMIUM 4Gによって、一般ユーザーはどのようなメリットが得られるのだろうか。例えば、ファイル容量400MBの動画を視聴する場合。従来のdocomo LTE(下り最大112.5Mbps)ではダウンロードの完了まで約34秒かかっていたが、PREMIUM 4Gなら約20秒で完了する。このため、高画質なストリーミング動画もストレスなく視聴できるようになる。また、トラフィックが集中している場所でも効果を発揮する。大松澤常務によれば、従来のdocomo LTEと実効速度を比べた場合、PREMIUM 4Gなら約70%の通信速度の向上が見込めるという。

約400MBの動画は約20秒でダウンロードを完了する(写真左)。トラフィックが集中している場所でも、従来比7割増の通信速度が見込める(写真右)

3月27日のサービス開始時にPREMIUM 4Gを利用できるエリアは、全国22都道府県38都市。例えば東京の山手線沿線では、新宿、池袋、品川など9駅で利用できる。6月には有楽町、上野などの7駅が追加、7月以降には山手線全駅がPREMIUM 4Gに対応する予定だ。なおサービスエリア一覧は、NTTドコモのWebサイトで確認できるようになっている。

サービス開始時にPREMIUM 4Gを利用できるエリアは全国22都道府県38都市(写真左)。山手線沿線では、新宿、池袋、品川など9駅で利用できる(写真右)

原稿執筆現在、PREMIUM 4Gに対応する端末はモバイルルータ「Wi-Fi STATION HW-02G」(ファーウェイ製、発売中)と「Wi-Fi STATION L-01G」(LGエレクトロニクス製、3月発売予定)の2機種。大松澤常務によれば、2015年度の早い段階で対応スマートフォンを投入していきたい考えだという。

PREMIUM 4Gに対応するモバイルルータ「HW-02G」(写真左)と「L-01G」(写真右)。2015年度の早い段階でPREMIUM 4G対応スマートフォンも発売される

なおPREMIUM 4Gの提供開始に先立ち、東京・丸の内のドコモラウンジ、名古屋・栄のスマートフォンラウンジ、大阪・梅田のドコモショップ グランフロント大阪の3カ所には超高速262.5Mbpsを体験できるスペースを用意する。ちなみに記者説明会の終了後、丸の内のドコモラウンジでは4K動画のストリーミングをデモ体験することができた。

東京・丸の内のドコモラウンジ、名古屋・栄のスマートフォンラウンジ、大阪・梅田のドコモショップ グランフロント大阪では超高速262.5Mbpsが体験できる

東京・丸の内のドコモラウンジでは4K動画のストリーミングをデモ体験することができた

ドコモでは、2015年度内に下り最大300Mbpsのさらなる高速化を予定している。そして東京オリンピックが開催される2020年頃には、次世代通信「5G」の提供も見据えている。大松澤常務は「LTE-Advancedで用いられる様々な技術は、将来の5Gにつながっている。特に、異なる周波数帯の電波を束ねるCA技術の延長線上には5Gがある」と説明。ドコモでは、今後とも利用者のニーズに合わせてネットワークを増強していく方針だという。

2015年度内に下り最大300Mbpsのさらなる高速化を予定。ゆくゆくは、次世代の通信規格5Gにつなげていく方針だという

高速化には2つの側面がある

記者説明会の最後に行われた質疑応答および囲み取材にも、引き続き大松澤常務が対応した。説明会の冒頭には「225Mbpsにちなんで2月25日に発表した」と冗談を言っていた大松澤常務だが、記者団から改めてこのタイミングでPREMIUM 4Gを発表した理由について聞かれると、「従来のdocomo LTEでも150Mbpsの速度が出る。でもPREMIUM 4Gでは、さらに進化したネットワークで快適にご利用いただける。サービスの提供開始を1か月後に控え、超高速通信を体験いただけるスペースの用意も整った。そのため、このタイミングになった」と説明した。

丸の内のドコモラウンジでは、屋内に向けてPREMIUM 4Gを吹かせている。取材時は、最大230Mbps弱のダウンロード速度が出ているのが確認できた

下り最大225Mbpsの超高速通信は、スマートフォンではもてあましてしまうのでは、という質問には「高速化には2つの側面がある」と説明。消費者に分かりやすいように、シンボリックに「通信速度が向上する」と発表しているが、それにともないネットワークのキャパシティも上がっており、そこにメリットがあると説明した。要約すると、通信速度を向上させる技術を革新させることでネットワークにまつわる様々な技術が向上する。具体的には、先に記述したCAのほか、電波の利用効率を上げるMIMO(マイモ)、トラフィックの混み具合に合わせてセル間の干渉を制御する技術などが向上する。これにより、ネットワーク全体のキャパシティを上げている、とのことだった。「ドコモでは、お客様の様々な要望に対応できる”体力のある”ネットワークを構築していく。皆様の生活のお役に立てるサービスを提供できるよう、基盤となるモバイルネットワークの能力を上げていく。今後とも、お客様の暮らしがより便利になるように、引き続いてネットワークの増強に関して努力していきたい」と話した。

PREMIUM 4Gのコンセプトムービー

PREMIUM 4Gに対応する基地局の数については「トラフィックは生き物」として明言を避けた。トラフィックが集中する都市部を中心に打っていく方針で、今後は混雑状況を見ながら展開していくと説明している。