富士フイルムは5日、広角24mm~超望遠1200mm相当(35mm判換算)の光学式50倍ズームレンズと、強力な手ブレ補正機能を搭載した超ロングズームデジタルカメラ「FinePix S9900W」(以下、S9900W)を発表した。2月26日から発売し、価格はオープン、推定市場価格は33,000円前後の見込み。

光学50倍ズームを生かす充実の装備と機能を搭載

FinePix S9900W

S9900Wが搭載する光学50倍ズームレンズは、広角端開放F値2.9の明るいフジノンレンズ。強力なレンズシフト式手ブレ補正と最適な画像処理を行う超解像技術を併用することで、画像劣化しやすいデジタルズームでも、さらに2倍の100倍までくっきり美しい画像を撮影できる。また、被写体に約1cmまで近寄れる「スーパーマクロ」機能(広角側固定)を搭載し、幅広いシーンで撮影を楽しめる。

レンズ構成は12群17枚。非球面レンズやED(異常低分散)レンズを効果的に配置し、フジノン独自のスーパーEBC(Electron Beam Coating)コーティングを採用することで、50倍の超望遠撮影時でも収差を抑え、逆光などの厳しい条件下でもクリアな画像を得ることができる。

レンズの左側面には、ズーム操作用の「サイドレバー」を配置。シャッターボタンに右手の指を置いたまま左手でズーム操作が可能だ。レバー操作で瞬時に構図を広げられ、スムーズに被写体をとらえ直す「オートバックズーム」機能、液晶モニター上に撮影範囲を表すガイドフレームを表示し、撮影範囲外の状況を確認しながら効果的に被写体を狙える「ねらい撮りズーム」機能も搭載した。

ファインダーは、約92万ドットの高精細電子ビューファインダーで、一般のコンパクトカメラとは一線を画す本格的な撮影が行える。撮像素子は1/2.3型1620万画素CMOSセンサーで、AF最速0.3秒、起動時間1.0秒、撮影間隔0.6秒、連写10コマ/秒(最大記録枚数10枚、フル画素時)の高速レスポンスを実現した。背面液晶モニターは、約46万ドットの3.0型TFTカラー液晶だ。

このほか、設定した時間間隔で任意の回数分の自動撮影ができる「インターバルタイマー撮影」機能を新たに搭載。日没や開花など、自然が移り変わる様子をとらえる定点観測撮影に威力を発揮する。

動画撮影機能も充実。光学式による縦回転(ピッチ方向)・横回転(ヨー方向)のブレ補正と、電子式による垂直方向(上下シフト)・水平方向(左右シフト)・光軸回転(ロール方向)のブレ補正を組み合わせた5軸での手ブレ補正は、動画撮影時も強力に手ブレを補正。歩きながらでもブレの少ない映像を撮影できる。

また、「人物」「風景」など5つのシーンから最適な撮影条件を自動で設定する「動画時SRオート」を搭載。簡単に美しい映像が撮影できるほか、480コマ/秒の超高速撮影にも対応(サイズは320×120)。再生時にきわめて滑らかなスローモーション動画が楽しめる。

スマートフォンやタブレットとのWi-Fi接続にも対応する。専用アプリ「FUJIFILM Camera Remote」(無料)を使用して、離れた場所からのワイヤレスシャッターや露出調整などが可能だ。この「リモート撮影」機能では、タッチAF、シャッタースピードなどの基本操作に加え、多様な撮影設定もサポート。集合写真や自分撮りはもちろん、自然の中で動物を撮影したり、離れた場所から構図を確認して撮影したりできる。

そのほか、継ぎ目のない360度のダイナミックなパノラマ写真が簡単に撮影できる「ぐるっとパノラマ360」機能、高度なアート表現を手軽に楽しめる「アドバンストフィルター」機能を搭載する。効果は「トイカメラ」「ミニチュア」「ポップカラー」「クロススクリーン」「ハイキー」「ローキー」「ダイナミックトーン」「ソフトフォーカス」「魚眼」「パートカラー」「スケッチ」の11種類だ。動画の撮影時には、「トイカメラ」「ポップカラー」「ハイキー」「ローキー」「魚眼」「パートカラー」という6種類の撮影効果を選べる。

バッテリーには、入手しやすい単3形乾電池×4本を採用した。撮影可能枚数は、本体付属の単3形アルカリ乾電池使用時で約300枚。本体サイズはW122.6×D116.2×H86.9mm。重量は約670g(付属電池、メモリーカード含む)。