多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『「格安スマホ」のメリット・デメリットは?』という質問に答えます。

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これまでスマートフォンは、最新のソフトウェアを快適に動作させることを第一に、高速/高性能なハードウェアを追求しつつ進化してきました。それだけに、システムやアプリの動作速度に直結するCPU(SoC)の処理性能、インストールしておけるアプリの数を決めるフラッシュメモリの容量、カメラの画素数や光学性能など、ハードウェアスペックがスマートフォン選びの基準となったことに違和感はありません。Andorid端末の場合、システムソフトウェアでの差別化が難しいことも、ハードウェアにばかり目が向いてしまう原因になったといえます。

最近注目を集めている「格安スマホ」は、文字どおり安価に入手できるスマートフォンです。携帯電話会社の販売網ではなく、MVNO(Mobile Virtual Network Operator、日本語では「仮想移動体サービス事業者」)事業者、あるいはMVNO事業者と提携した大型量販店やオンライン専業会社が事業に乗り出すケースが増えています。具体的な基準はありませんが、OSにはAndroidを採用した端末で、SIMとセットで3千円台/月であれば格安の部類に属します。

格安スマホのメリットは、1カ月あたりのコストの低さに尽きます。音声通話の有無、1カ月で使えるデータ容量の上限を確認しておけば、スマートフォンとしての役割はじゅうぶん果たせます。WEBブラウジングやメールの送受信はもちろん、静止画/動画撮影や音楽再生など、Android OSでできることはひととおりこなせると考えていいでしょう。MVNOのSIMカードと組み合わせる都合上SIMフリー(どの携帯電話会社/MVNOのSIMカードも利用できる)が前提ということも、ユーザにとってはメリットです。

デメリットは、"最新技術のかたまり感"に欠けることです。CPUやカメラの性能、薄さ/軽さやバッテリーのもちは(格安ではない)最新の端末に及びません。1月時点では、Android OSの最新版(Android 5/Lollipop)をプリインストールした端末は見当たりません。デザインやカラーバリエーションも、無難な方向にまとめられがちです。最近では国内メーカーも参入しはじめ、防塵/防水性能など特徴的なスペックを備えた端末も投入されていますが、尖った最新機能は望めません。この部分は、価格と折り合いをつけて納得するしかないでしょう。

端末代込みで3千円台/月を下回る「格安スマホ」が人気を集めています

(記事提供: AndroWire編集部)