富士通研究所は1月28日、クラウドのネットワークに障害が発生した時、その障害によって影響を受けた仮想システムを専門家以外でも10秒以内で特定できる技術を開発したと発表した。

同社は、物理サーバ間の通信経路情報と通信が発生する仮想サーバの組み合わせ情報を自動的に生成し、各仮想サーバがどの物理サーバに収容されているかという関係に基づいて仮想システムと物理ネットワーク通信経路の関係を自動的に解析することで、障害の影響を受けた仮想システムを数秒で特定する技術を開発した。

仮想サーバ間の通信経路と物理インフラの通信経路の対応付けの仕組み

また、物理ネットワークで冗長構成を採用している場合、物理ネットワークの通信経路情報に加えて、通常使用する現用経路あるいは予備経路を示す状態情報を管理するようにした。これにより、障害発生時に影響を受けた物理サーバ間の通信経路が現用経路である時に限って影響があると判断し、実際にサーバ間通信に影響のあったものだけを特定する。

ネットワーク冗長構成を考慮した影響範囲の特定の仕組み

こうした技術により、ネットワーク障害が発生した時、ネットワークの専門知識を持っていない運用者でも、ネットワーク障害によって影響を受けた仮想サーバ間通信を10秒以下で特定することが可能になるという。

同研究所は今後、さまざまな環境で同技術の評価を行い、2015年度中に富士通製品への搭載を目指す。