2014年のスマートフォンを漢字一字で言い表すなら、どんな言葉が当てはまるのか。ここではライターの小山安博氏に、今年を象徴する一字を選んでもらい、その理由や所感などを記してもらった。

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2014年も、さまざまなスマートフォンが登場した。国内ではiPhone、Xperia、GALAXYといった主流端末はもとより、ファーウェイ、ASUSなど、SIMロックフリーのスマートフォンも普及し始めている。OSの分野ではiOS 8、Android 5.0(KitKat)が登場し、新しい機能も搭載されるようになってきている。

そんな2014年。選んだ一文字は「変」。「変化」「変わり種」といった辺りを意識した文字を選んでみた。

国内でもSIMフリースマートフォンが多くで始めた1年だった。これはASUSのZenPhone 5

ファーウェイのAscend Mate 7

スマートフォンは、「コモディティ化」が進んだといわれている。既存のパーツを組み合わせて製品を作れるようになってメーカーの参入障壁も小さくなり、OSやパーツの性能向上で、安くてもそれなりに快適に動作する端末が増え、結果として世界中で所有者が増えた。

ブームの火付け役となったiPhoneは、世代を重ねて他社との差別化が難しくなり、特に高価格帯商品のために新興市場でのシェアが伸び悩む。ライバルとなるAndroid陣営も、大メーカーが低価格市場で新興メーカーに押されている。

独自機能のアイデアも出にくくなっていることから、「どれを選んでもだいたい満足できる」という状態になって、それもまた、停滞に拍車をかけているように思う。中国メーカーをはじめ、新興市場向けで好調なメーカーもあるが、際だった独自スマートフォンを打ち出しているわけでもなく、スマートフォン単体で見れば、他社と大差はない。

とはいえ、この「プレイヤーの変化」は大きなトピックだ。携帯電話というくくりではこれまでノキアが世界を席巻し、スマートフォンでサムスンが世界でシェアを拡大させたが、レノボ、ファーウェイといった中国メーカーがシェアを伸ばし、世界各地で新興メーカーが立ち上がって存在感を示し始めている。

中国メーカーOppoのスマートフォン「N1」

Lenovoの低価格ラインの「S860」。この辺りは国内には参入していないメーカー