昨今のクラウド本格活用時代の到来とともに、各種のアプリケーションが分散する傾向にある。合わせて、活用すべきビッグデータも多様化してきている。12月9日に開催されたセミナー、「マイナビニュースフォーラム2014 Winter for データ活用」では、アプレッソによる「クラウド&ビッグデータ時代のデータ活用の5つのポイント」と題するセッションが設けられた。そこでは、多様化しクラウド等に散在する『活用すべきデータ』の連携・収集における考慮点が示されるとともに、そのために効果的なツールについて説明が行われた。

クラウドの普及で多様化するアプリケーション
いかにデータ連携を行うかが課題に

世界のクラウド市場は急拡大を続けており、国内におけるクラウド活用の動向を見ても、すべての業界において50%近い企業がクラウド活用に積極的な姿勢を見せている。アプレッソが行った市場調査によると、世の中に提供されているクラウドサービスは既に相当数に及んでおり、特にSaaSとなるとその数は膨大なものとなる。

株式会社アプレッソ 事業推進本部長 船橋伸二氏

同社の事業推進本部長、船橋伸二氏はこう強調する。「このことが何を意味しているのかというと、PaaSやSaaSについてはエンドユーザーでも利用しやすいサービスが増えているということ。『Salesforce.com』や『kintone』などがその代表例であり、市場ではさまざまなクラウドアプリケーション・サービスのメニューが急増している。そして将来はITの活用がより進んで、オンプレミス、クラウドともにアプリケーションの稼働数はさらに増加していくことだろう。そこで問題となるのがアプリケーション間のデータ連携だ。各種のアプリケーションを連携させようとすれば、従来のアプローチであればアプリケーションを個々毎に接続しなければならい。そうならないよう、バラバラになっているシステムのデータを収集、統合、活用するデータ連携のしくみが必要となる。せっかく素早いビジネスを可能にするアプリケーションが整っているのに、データ連携の部分がボトルネックになるのは問題だ」

こうした背景からニーズが高まっているのがデータ連携ツールだが、アプレッソではEAIによるデータ処理・連携を行うHUBを提供することで、柔軟かつ容易なデータ連携を可能としている。

ここで船橋氏は、同社のEAIを活用することで、効果的なシステム間のデータ連携を実現した事例をいくつか紹介した。そのうちの1つ、あるインテリア・雑貨 販売会社では、既存の業務システムとクラウドサービスを連携して構築した発注残管理システムを、EAIを導入することでわずか2週間での実装に成功。商社とのデータ交換に関しても、統一したコンセプトでの運用を実現しているという。

インテリア・雑貨 販売会社における既存システムとクラウドサービスの連携事例

一方、ビッグデータ活用の動向について目を向けると、ある調査では国内の金融、情報通信業をはじめとした半分近い割合の企業が、3年以内に取り組むと回答としているなど、やはり企業の注目度は高い。これについても船橋氏は同社のEAIを活用した先進事例を紹介。ある大手建設会社では、21世紀の初頭にスタートした工事・建物データベースの構築の中でHUB的な仕組みが必要だと判断。EAIで連携しながら少しずつアプリケーションを増やしているところだという。

大手建設会社における統合DB構築の事例

企業とITにまつわる一連の動向を踏まえて船橋氏は、クラウド&ビッグデータ時代のIT活用の要件として次の5つを示した。

・SaaSの普及によりエンドユーザー主導での素早いシステム活用が求められる
・クラウドの活用により処理もデータも分散されるためさらに多様な連携が必要
・大量のデータを効率よく連携処理する必要性
・複雑な連携でもわかりやすく変更も容易
・IaaSとの連携が可能

そして次に、これらの要件を受けての、データ活用に必要とされる課題・要素として、以下の5つを挙げた。

1 簡単、使いやすい
2 対応接続数の多さ
3 ハイパフォーマンス
4 可視性
5 ポータビリティ

データ活用に必要な5つのポイントを満たす「DataSpider」

株式会社アプレッソ 技術部長 友松哲也氏

船橋氏に続いてアプレッソの技術部長、友松哲也氏が登壇し、このデータ活用に必要となる5つのポイント1つひとつについて、アプレッソのEAIツール「DataSpider」がいかに優位性を有するのか具体的な説明を行った。

1 簡単、使いやすい
エンドユーザーがシステムに自主的に触れるような流れになると、いかにわかりやすく使いやすいかがポイントとなる。DataSpiderは、GUIからアイコンベースで一連の処理の流れを設定でき、自分のやりたいことを形にして見て理解できる設計となっている。データの変換についても同様に、見てすぐに処理がわかるように設定していくことが可能だ。

「ラベルもすべて日本語であるため、どういう設定なのか、どういう処理をしているのかなどひと目でわかりやすい」と友松氏は強調する。

2 対応接続数の多さ
さまざまなアプリケーション、システムでデータ連携をいちいち設計していてはとても大変だが、DataSpiderは多種多様なアプリケーションやシステムと連携することが可能となっている。クラウド連携機能も強化中で、特にAWSへの対応に注力しており、新たなアダプタも続々追加されている。

「クラウドは対応速度の速さも大事なことを忘れてはならない」(友松氏)

3 ハイパフォーマンス
データ連携では、自前のプログラムよりも高速な処理が実現できることが大事だ。DataSpiderは一度JAVAのプログラムに変換してからコンパイルしているのに加えて、これまでアプレッソが培ってきたデータ連携のノウハウも集約されており、非常に高速な処理を実現している。パラレルストリーミング機能により大容量データも分割して並立処理を行うため、ビッグデータの処理でも高いパフォーマンスを発揮するのである。

ここで友松氏は、DataSpiderを使って100万件のデータをCSV形式に変換・出力するというデモ披露。わずか7秒で処理が完了してしまい来場者を驚かせた。

4 可視性
これからのアプリケーション、システム連携では、どことどこがどのようにつながっているかがひと目でわかることが求められる。DataSpiderであれば、アイコンを見るだけでどこのデータをどう変換し、どこへつながっているかが一目瞭然だ。

「14,000ステップものプログラムでもたった13個のアイコンで表すことができ、変更によってどこに影響が出るかもひと目でわかるようになっている」(友松氏)

5 ポータビリティ
「これは見落としがちなポイントだが、昨今のクラウド環境を考えれば、データの連携処理をどこで行っていようと実現できないといけない。海外のクラウドやサーバーでも同じように連携できないと、クラウド時代には意味がないと言えるだろう」と友松氏は主張する。

DataSpiderは、クライアント・サーバーモデルを採用しており、サーバーがネットワーク的に接続できるのであれば、海外であろうとクラウドであろうと連携が可能となっている。サーバー自体をクラウド上に置いて使うことも可能だ。クラウド側に置いた時のポイントは、すべてのクライアントツールがオンプレミスと同じように使えること、そしてインストールすることなくクライアントツールを使えることである。この点についても、DataSpiderではブラウザーベースのクライアントを用意しているため 開発者がどこにいてもクラウドに接続して利用することができるのである。

クラウドでもどこでも連携可能

導入が容易で使いやすいなど、先の5つのポイントをカバーするDataSpiderは、市場で高く評価されており、EAIソフトウェアにおいて顧客満足度No.1に輝いている。最後に友松氏は、次のように熱弁してセッションを締めくくった。「”つなぐ”をコンセプトにしたソリューションを提供し続けている当社では、2001年からDataSpiderを提供している実績とノウハウがあると自負している。ぜひ当社のサイトへとアクセスし、一度DataSpiderの優れた機能と使い勝手を体験していただきたい」

「DataSpider Servista」のHP


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※2014年3月日経BPコンサルティング調べ
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