調査会社BCNは12月11日、全国の主要家電量販店などの実売データを集計する「BCNランキング」に基づき、4Kテレビの販売動向を発表した。

「液晶テレビに占める4Kモデルの販売台数・金額構成比」 出典:BCN

調査によれば、11月の50型以上における4Kテレビの販売割合は台数ベースで4割超、金額ベースで6割超と過去最高となった(右図【液晶テレビに占める4Kモデルの販売台数・金額構成比】参照)。その要因として同社では、このサイズ帯(50型以上)では最小となる50型テレビの構成比が高まっていること、およびそれに伴う平均単価の下落があるとみている。この1年間で販売台数が5.18倍にまで膨らんだことで、BCNでは4Kテレビがいよいよ普及期に突入したと分析している。

同調査における4Kテレビ販売台数構成比はこれまで、9月の5.4%が最高だった。しかし、今回調査の11月には7.8%となり、1割に向けて大きく増加。販売金額ベースでも9月の21.6%から28.1%へと大きく増加した。さらに、50型以上の大型モデルに限定した場合でも、やはり9月が最高で販売台数では29.2%、金額では47.7%だったが、今回調査の11月には台数で40.5%、金額で58.4%と10ポイント以上も増加している。

進む小型化 - シェア争いはソニー1強からソニーV.S.パナソニックへ?

一方で、これまで大型モデルが主流だった4Kテレビだが、このところ小型化が進んでいる。2014年3月までは55型が最小サイズで販売台数構成比も最大だったが、4月以降は50型や49型、40型が登場するなど小型化が進行。これに伴い、平均画面サイズは1年間「58.0」から「52.5」まで縮小するとともに、単価も2013年11月の408,800円から232,600円(2014年11月)まで安くなった。

サイズ帯ごとの構成比に目を移すと、大型の4Kモデルの構成比は縮小傾向にあることが分かる(左下図【4Kテレビの画面サイズ帯別販売台数構成比と平均単価】参照)。3月までは60型以上の大型モデルが3割前後を維持していたものの、小型モデルの登場により大型モデルの構成比が縮小。11月には20%を切った。

そして、この小型化はメーカーシェアにも影響を及ぼしているとBCNではみている。比較的早期に4Kテレビ市場に参入したソニーは2013年11月ごろから2014年春ごろまで、当時としては小さめのサイズである55型モデルで大きなシェアを獲得していた。しかし、国内の大手メーカーとしては4Kテレビ最後発となるパナソニックのシェアが、2013年11月の1.9%から2014年11月には30.8%にまで急伸。2013年11月には80.2%という絶大なシェアを握っていたソニーは、2014年11月時点でも1位ではあるものの、38.7%までシェアを落としている。

左は「4Kテレビの画面サイズ帯別販売台数構成比と平均単価」、右は「4Kテレビのメーカーシェア」 出典:BCN