多様性を持つコンシューマーへのアピールポイント

再び登壇した三上氏は、第三者調査機関における調査結果で50パーセント以上のユーザーは、外出先でタブレットを利用するサラリーマンやフリーランスが占めていると説明する。さらに、米国でAdobe Systemsが開催した「Adobe Max 2014」や国内開催の「CREATE NOW "Best of MAX"」を例に、Surface Pro 3の購入検討ユーザー層がAdobe製品を使用しているクリエイター層に多いという。(基本的にはMicrosoft主導ながらも)日本マイクロソフトもコンシューマーユーザーターゲットを「モバイルプロフェッショナル」「クリエイター」の2つにリーチすることを明らかにした。

日本マイクロソフトはコンシューマーターゲットとして「モバイルプロフェッショナル」「クリエイター」の2者に絞るという

「Adobe Max 2014」に登場したMicrosoft CEO(最高経営責任者)のSatya Nadella氏(画面左)。Adobe Systems CEOのShantanu Narayen氏、学生時代は同級生だったという

そしてMicrosoftとAdobe Systemsの戦略的提携に伴い、Adobe製品におけるペンおよびタッチ操作へ最適化したAdobe CC(Creative Cloud)製品の開発にいたったという。前述したイベントに参画したMicrosoftがユーザー意識調査を行ったところ、7割以上が(Surface Pro 3に)興味があると回答したそうだ。

ここで日本マイクロソフト 轟氏によるAdobe Illustrator CCとSurface Pro 3に関するデモンストレーションが行われた。下図はSurface Pro 3にType Coverを取り付けた状態と取り外した状態の同アプリケーションである。見比べるとUIが大きく異なっていることがわかるだろう。これまではキーボードやマウスに意識を向けなければならなかったが、タッチ/ペン操作ならば純粋にクリエイティブな操作に集中できそうだ。

Type Coverを装着した状態(画面左※012)と、取り外してペン&タッチ操作可能になった状態。Adobe Illustrator CCのUIがペン&タッチに最適化される

さらにペンやタッチ操作で適当に描いたラフイラストも、簡単なアクションで修正できる操作や、デジタル定規で直線や罫線を自由に描ける直感的な操作を強く強調。このようなペンによる描画ができるのは、現時点でSurface Pro 3のみであることも明らかにし、今後もAdobe Systemsと協力してタッチ/ペン操作UIの改善や可能性を広げていくという。会場で流したYouTubeの動画を観る限り、クリエイティブ分野とタッチUIの親和性は非常に高く、デジタルクリエイティブの世界を新たなステージに押し上げてくれそうだ。

Surface Pro 3とAdobe Illustrator CCによるデモンストレーションを行う日本マイクロソフトの轟氏

Adobe Illustrator CCのデジタル定規もペンやタッチで直線や曲線を描けるため、スケッチブック感覚で利用できそうだ

三度(みたび)登壇した三上氏は、既報のとおり、「Surfaceスクリーンプロテクター」を12月12日より発売すると発表した。薄さ0.5mm、重量は60グラム、コーニング社製のGorilla Glassを採用し、参考価格は4,980円。

今回新たに発表したガラス製保護シート「Surfaceスクリーンプロテクター」

Surfaceスクリーンプロテクターを手にすると、60グラムという重量はほぼ感じないほど軽かった

Surface Pro 3へは通常の保護シートと同じ感覚で貼り付けられる

当然のように会場で質問があがり、「Surfaceスクリーンプロテクター」がどのゴリラガラスを採用しているか担当者は明確にしなかったが、Gorilla Glass 4の出荷が2015年初頭であることを踏まえると、現行モデルとなるGorilla Glass 3を採用していると思われる。実際に手にするとかなり軽量で、下手な保護シートよりも安心感はあった。

なお、初代Surface Proや同Pro 2はディスプレイサイズが異なるため、事実上Surface Pro 3専用になる。確かにSurfaceスクリーンプロテクターは一般的な保護シートと比べると高額だが、現在Surface Pro 3を使っているユーザーにとってはマストアイテムになるだろう。

このほかにも、自社製アクセサリだけでは顧客のニーズに100パーセント応えることは難しいため、サードパーティベンダーも参画する「Design for Surface」プログラムを国内でも実施することを明らかにした。以前から「Blades」など自社独自のアクセサリや多様性を研究してきたMicrosoftだが、同プログラムの実施により、米国では100種類以上のアイテムが既にリリース済み。三上氏は日本独自のアクセサリも提供したいと語り、今後の展開に注力するという。

サードパーティ製Surface Pro 3用アクセサリーも順次増えていくとアピールした

サードパーティにSurface Pro 3用アクセサリーの開発情報を提供する「Designed for Surface」を指して「エコシステム」と紹介した

阿久津良和(Cactus)