新戦略、5,000万人都市構想
順調な推移をアピールする同社だが、今後はどうなるのか。その点については、経済効果をさらに向上させるべく、ニュースキュレーションから情報キュレーションへとプラットフォームを進化させていくという。「都市構想という方針で、グノシーを都市のようなものに発展させていきたい」(同氏)。
これはどのような構想なのか。駅には人が集まるので、周辺には魅力的な店が増える。さらに人が集まれば、さらに魅力的な店が増える。同氏はこのような例え話をあげ、今後、様々な分野の魅力的なサービスをグノシー内に誘致していく方針を説明した。
5000万人都市構想までの経緯
方針を打ち出すまでには経緯もある。どのような経緯で、こうした構想にたどり着いたのだろうか。その点についても説明が行われた。
例えば、旅行の記事を購読した読者が旅情に駆られる。そこでネット検索をしたり、旅行代理店に出かけて相談したり、といった行動を起こす。それが従来の消費者の行動パターンだった。しかし、そこに疑問があった。その理由を「記事を見たら、そのまま予約・購買できる。アプリ上で、すぐにプランの比較や相談ができる。そうすればアプリを立ち上げ直したり、街の旅行代理店に相談しに行ったりという手間がなくなる」(同氏)と説明する。
スマートフォンの普及により、膨大な情報がネット上に存在するようになった。その弊害として、商品を見つけられないという問題も生じているという。例えば商品をネットで検索した際に、類似の競合製品ばかりが出てきてしまう、あるいはサイトの構造が複雑なために目的のサービスを探すまでに時間がかかり、結局途中で断念してしまう。記事を読んだ消費者が「良い」と思った商品・サービスを、その場で予約・購入できるサービスがあれば、こうした"機会の喪失"を最小化できる。それこそが、グノシーの目指す新しいサービスの形だという。
同氏は「数値目標として、1年後には2,000万のアプリダウンロードを目指す。500万PV以上を達成するメディアは100以上、提携する企業は500社、取引件数は月間25万件が目標。1カ月で、10億円のトランザクションが行われる。そのようなプラットフォームを目指していきたい」と言葉に力を込めた。