グノシーは11月11日、東京都・六本木にて、第一回事業戦略発表会を開催し、新事業戦略「Gunosy 5000万人都市構想」と新サービス「Gunosy Platform」、同サービスの提携モデルとなる「G Development」の提供を発表した。これらは12月以降に順次提供を開始する。

新事業戦略となる「Gunosy 5000万人都市構想」では、同社の提供するニュースキュレーションアプリ「Gunosy」が、ニュースアプリという立ち位置を脱却。ユーザーにとって行動の起点となる総合情報キュレーションアプリへの飛躍を描いている。

今後はユーザーに対して、情報収集から購買行動までシームレスに行うことができるプラットフォームを提供する。一方で企業側には、ユーザーとの継続的なエンゲージメントを実現するという。

グノシー 代表取締役CEO 福島良典氏

同社代表取締役CEOの福島良典氏は、発表会で「PCとスマートフォンでは情報を提供するポータルの役割が異なっている」と指摘。

「PCの時代では、プラットフォームに設けられた検索エンジンによって情報とユーザーを結びつけていました。昨今は、スマートフォンの普及とアプリなどのサービスの増加によりユーザーと情報の接点が変化しており、情報ポータルというものを再定義する必要性があると思う」(福島氏)

そこで、グノシーが掲げた新たな定義が「Gunosy 5000万人都市構想」。駅を入り口とし、魅力的なサービスを提供する店舗があり人が集まるといった都市と同様に、Gunosyを入り口として流入したユーザーに、情報だけでなく生活に近いサービスを提供する総合情報プラットフォームを目指す考えだ。

5000万のユーザーが集まるネット上の街「Gunosy Platform」

構想を実現する「Gunosy Platform」では、ユーザーがニュース記事などで情報と接触し、興味関心を抱いたタイミングで検索行動を挟むことなくサービスの接点を提供する。例えば、ラジオやマンガといったエンターテイメント体験や旅行予約、アルバイト探し、日用品・嗜好品の購入といった具合だ。

プラットフォーム化に向けた主な取り組みは、「UIの変更」と「パートナー企業との提携モデル『G Development』の推進」の2つだ。

UIの変更では、チャンネルリストページに対するダイレクトリンク「チャンネルボタン」を常駐させるデザインを採用。このボタンから同社のアルゴリズムなどでパーソナライズ化されたチャンネルレコメンドなどを見られる。これにより、デフォルトで表示されるチャンネルだけではなく、ユーザーの興味関心により近い情報提供ページへの誘導を実現する。

「チャンネルボタン」が常駐するUIイメージ(左)とパートナー企業とのサービスイメージ(中・右)

これにより、ユーザーエクスペリエンスを向上させるほか、既にパートナーとしてチャンネルをもつメディア企業に向け、ダイレクトにユーザーを送客できる。

そして、もう1つの取り組みとなるパートナー企業との提携モデル「G Development」の推進では、情報提供だけではなく、実生活に近いサービスの提供を可能にする。

グノシー 取締役COO 竹谷 祐哉氏

グノシー取締役COOの竹谷 祐哉氏は、今回提携を発表したリクロを例にあげ、検索などのアクションを介さず、情報から商品購入ページへシームレスな移動ができるようになると説明。

「従来、リクロの提供する商品に関する記事を読んだユーザーが商品の購入に至るには、検索アプリを立ち上げるなど別ツールを経由しており、その際に離脱してしまうなどの課題がありました。しかし、今回の提携によりユーザーは、リクロのチャンネルから直接商品購入ページを閲覧することができ、ツールを横断するストレスが無いほか、企業は、競合他社にユーザーを取られる可能性が低くなると考えられます」(竹谷氏)

リクロとの提携によるサービスイメージ

同様に、DeNAトラベルとの連携では、Gunosy内で提供予定のメッセージ機能を使用し、旅行の問い合わせや予約が可能となるなど、提供サービス・提携企業によってその形態は異なる。発表時点では、DeNAトラベルとリクロのほか、KDDIやエブリスタ、グルーポン、ジョブセンスなど11企業14サービスの参加が決定しているという。

「G Development」として提携が決定している11企業14サービス一覧

グノシーは1年後の目標として、ダウンロード数2000万件、連携する100メディアに対し月間500万PV以上の送客、G Developmentによるパートナー企業500社、取引件数(コンバージョン数)月間25万件を実現したい考えだ。