サイズと高解像度がスタジオ撮影で活きる

始めに行った撮影は、白壁を背景としたシンプルな人物撮影。右側より差し込む光が、背景に微妙なコントラストを作り出しており、人物が際立つ構図だ。

白壁を背景とした人物撮影の様子。撮影した写真が次々とディスプレイ画面上に表示されていく

── 撮影した写真を見てみて、感想はいかがですか

清水氏 普段使用しているディスプレイは24型なので、30型は画面が大きすぎると感じていましたが、実際に使ってみると印象が違いますね。まずサイズが大きくなって、合わせて解像度が上がることにより、フォーカスチェックが楽です。普段は焦点を軽く確認するだけでも画像を拡大する必要がありましたが、このディスプレイだと画像を開いただけでピントが合っているかどうか大体わかりますね。確認ごとの作業工程をワンステップ減らすことができるというのは、作業時間の軽減に大きく影響すると思います。もちろん視認性も向上していると思います。

撮影した写真を開くと、これくらい大きな画像として表示される。さらに拡大したりせずともフォーカスがすぐに確認可能

解像度が高くなるとそれだけドットピッチが狭くなり粒状感は無くなるというメリットがあるが、厳密な確認を行う場合それがあだになることもある。しかし「ProLite XB3070WQS」は30型という大型サイズを採用しているため、チェックが楽になるようだ。

清水氏 それと、サムネイルを昔でいうところのブローニーサイズより大きく表示しても実用的なので、選別が非常に楽です。元のディスプレイですとサムネイルのサイズを同じくらいにすると6枚くらいしか表示できず、拡大画像も小さくなってしまいます。しかし「ProLite XB3070WQS」は、サムネイルをで構図やある程度の写りが判別できますね。サムネイルを見ながら選択していくことが可能なんです。コンタクトシートをみるよりはやくチェックできますので、特に撮影枚数の多い人物撮影だと便利ですね。う~ん、なかなかいいな、これ。大きさと解像度のメリットを感じました。

解像度が作業スペースを増やし、画面サイズが視認性を上げているため、サムネイルでも容易に写真の仕上がりを判別できる

── 「ProLite XB3070WQS」の画質はいかがでしょうか

清水氏 平面で見た時に明るい側から暗い側のグラデーションができるように撮影して、白がどこまで残るかをチェックしてみましたが、想像以上に粘ってくれていますね。標準設定ですと若干白とびしちゃうかな。あまり良くないディスプレイですと、背景の凹凸の影があるんだかないんだかよくわからなくなってしまうのですが、しっかりと違いを表示してくれていると思います。

実際に撮影した写真がこちら。白い壁と黒い洋服がどこまで表現できているかがポイント。「ProLite XB3070WQS」の白・黒の再現性は清水氏も満足のようだ ※原寸大画像を見る(/中央/)

データを見ていただけるとわかると思うのですが、ちゃんと白の階調が残ってるんですよ。また、今回はあえて黒い洋服を着てきてもらったんですが、服のディティールもしっかり確認できますよね。黒も潰れることなく、しっかり表現してくれていると思います。

── 白と黒の階調は高評価ですね、その他に気になった点はありますか?

清水氏 肌の表現には気になるところがあります。この頬の髪の毛の影がかかっている個所なんですが、急にトーンジャンプしてしまっているように見えます。「ColorEdge CG243W」ですとこのようにスムーズに肌のグラデーションが変わっていくので、この点はちょっと残念ですね。印刷時には「ColorEdge CG243W」のような階調になるはずです。しっかり未調整だからかもしれませんが、もう少し自然なグラデーションで表示されるとうれしいですね。

清水氏が気にしていた肌のグラデーション。頬の影の部分がトーンジャンプしていて滑らかではないという

肌色のグラデーションに若干の不満を感じられたようだが、現在のところ評価は上々のようだ。次ページでは、さらに多くの色を含んだ写真でチェックを進めていこう。