格安SIMフリースマホに革命をもたらすといっても過言ではない機種「ZenFone 5」がASUSから登場した。これまで格安スマホといえば、デザインや質感、機能面でどうしても安っぽい点が否めなかったのだが、「ZenFone 5」のクオリティはそれらとは一線を画しているのだ。すでに海外では発売され話題になっていた本機種だが、今回満を持して日本国内で発売となる。

本日28日、「ZenFone 5」の日本投入を発表したASUSのJonney Shih会長

発売日は11月8日で、価格は16GBモデルが26,800円、32GBモデルが29,800円

価格からは信じられないほどの質感の高さをまずは写真でご覧いただきたい。

開封の儀

まずは恒例、開封の儀からやっていこう。最近はスマホを手にしてもいちいち"開封の儀"なんて仰々しく記事にしなくなっていたのだが、「ZenFone 5」は久しぶりに箱を開けるところから紹介したいと思った機種だ。

パッケージにもこだわりが

本体はまだお目見えしていないが、すでにパッケージの時点で上質な雰囲気が感じられる。サイドには「4G LTE」や「Bluetooth」といった本機種の機能を表すアイコンが並んでおり、窓のように繰り抜かれたパッケージ外装からのぞいている。安っぽさはどこにもなく、スタイリッシュなデザインは所有欲を満足させてくれる。

箱を開けるとまずはZenFone 5が

様々なアクセサリ類も付属している

箱をスライドして開けて、ZenFone 5本体とアクセサリ類を取り出した。一般的なスマートフォンと同じようにイヤホンとMicroUSBケーブル、ACアダプタが付属している。安価だからといってこのあたりを省略することがないのは立派だ。

ZenFone 5を取り出した

シンプルな外観が好印象

背面の質感の高さに驚かされる

5インチながら握り心地は良好

ZenFone 5の外観はシンプルかつスタイリッシュ。ラウンドした背面が手にぴたりとフィットする。5インチというとそれなりの大きさなのだが、持ちやすいせいか大きすぎる感覚はまったくない。女性にも持ってもらったが、非常に持ちやすいと高評価だった。人を選ばない汎用的なサイズ感だ。

側面

底面

側面

天面

電源ボタンとボリュームボタンは右側面にまとめられており、逆の側面にはボタン類は何もない。天面にマイクとイヤホンジャック、底面にマイクとMicroUSB端子と、やはりシンプルそのものだ。

大きなレンズ

スピーカー

背面には大きめのカメラレンズと、スピーカーを搭載している。安価なスマホだと見くびっていると、この背面の質感の高さに驚かされるだろう。安っぽいテカリなどは一切なく、高級感ある仕上がりになっているのだ。

ラウンドしたフォルム

この角度から見ると、若干ラウンドしていることがよくわかる。背面の質感の高さと相まって、フィット感は良好だ。

ボタンのヘアライン加工が美しい

この部分はぜひ触ってみてほしい

さらに質感という点で驚かされるのが、ヘアライン加工されたボタンと、光沢感のある前面下部の高級感。特に前面のココはぜひ実際に触ってみてほしいのだが、ディスプレイ部分とこの部分は手触りがまったく違っていて、ほんの少しザラッとした加工が施されているのだ。こういう細かい部分の完成度の高さが、トータルでの質感の高さにつながっているのだと思う。

ちなみに、SIMカードスロットやMicroSDカードスロットは背面カバーを開けた中にあるのだが、このカバーを開けるのにはちょっとしたコツがある。

まずはここを持って

溝に爪を入れる

そのまままっすぐ引き剥がす

あとは普通に外していけばOK

こんな風に外すことができる

こんな風にASUSロゴのある方、すなわち上部を持ち、その状態で下部側面にある溝に爪を入れる。そしてそのまま背面カバーを本体からまっすぐに勢い良く引き剥がすのだ。"まっすぐ"というところがポイント。これで隙間ができるので、あとはそのまま少しずつ外していってもいいし、爪を隙間に通して一気に外していってもいい。重要なのはカバーをまっすぐ引き剥がすことと、勢い良くという部分。カバーが固くて外れにくいと感じたら試してみてほしい。慣れれば簡単だ。

さて、本体のデザイン・質感の良さをお伝えしたところで、機能面にも触れていこう。ZenFone 5は「Zen UI」という独自のインターフェースを採用していて、本体デザイン同様にシンプルながら良好な使い勝手を実現しているのだ。

独自の「Zen UI」に注目したい

アプリの並びは4×4

ロック画面からメッセージ、電話、カメラを起動可能

その大きな特徴の一つが、ロック画面を解除しなくてもカメラ、メッセージ、電話を起動できること。ロックを解除する手間なく、日常的によく使う機能にアクセスできるのはありがたい。もちろん、アクセスできる範囲は限定されるので、たとえばカメラを起動した状態からギャラリーの別の写真を見るといったことはできない。機能自体をオフにすることもできる。

様々なプリインストールアプリが

2ページ目

3ページ目

4ページ目

アプリの並びは4×4。4ページ分のアプリがプリインストールされており、インターフェースはシンプルそのものだ。動作にもたつきなどはまったくなく、サクサクと快適に操作できる。

カメラ機能には工夫がいっぱい

画質は悪くない

注目したいのはカメラ機能。画素数こそ800万画素と最近のスマホにしては控えめだが、画質は悪くない。何よりも、機能が非常に豊富なのだ。

多彩なモードセレクト

たとえば撮影モードにしても、オート以外にHDR、パノラマ、夜景、美人効果、ミニチュア、単焦点など幅広いシーンモードがそろっている。特にHDRに関しては人気の高いモードということで、モードセレクト画面に入らなくてもワンタッチで切り替えることができるようになっている。

エフェクトも充実

「漫画」エフェクトが面白い

また、リアルタイムに効果を確認できるエフェクトも充実。セピアやネガ、グレースケール、LOMOなどのオシャレな加工の他、イラスト調にする漫画エフェクトや全体をモザイク風にするピクセル化など面白いものもそろっている。

ホワイトバランスやISO感度まで変更できる

この他にも、ホワイトバランスやISO感度の変更、露出補正、タッチシャッターのオンオフ、連写機能、顔認識などカスタム設定項目は非常に豊富。そのままフルオートで撮影したい人はもちろん、カメラ好きで自分で設定を色々といじりたい人にもオススメだ。

デザインや質感、機能などすべての面において、ZenFone 5は価格からは考えられないほどクオリティの高いスマートフォンであることが伝わっただろうか。これまではスマートフォンの質はやはり価格に比例する部分がどうしてもあったが、ZenFone 5はそうした構造を一気に打ち破る可能性を秘めた驚異のモデルである。

スマートフォンにかけるお金を節約したい、でもせっかくなら少しでも良いものが欲しい――そんな贅沢な願いを叶えてくれる機種は、今のところZenFone 5だけと言っても過言ではないだろう。