「TERADATA PARTNERS 2014」の会場入り口

Teradataユーザーグループ主催の年次カンファレンス「TERADATA 2014 PARTNERS CONFERENCE & EXPO」(以下、TERADARA 2014 PARTNERS)が開幕した。開催29回目となる今年は、米国時間10月19日~23日の5日間、カントリーミュージックで有名なテネシー州ナッシュビルの「Gaylord Opryland Resort & Convention Center」を舞台に行われている。

初日19日から多くのセッションが始まり、日本からは千趣会がベルメゾンの会員を対象としたビッグデータの活用事例を紹介した。そして翌20日午前中には、マイク・コーラーCEOらが登壇するオープニング・ゼネラルセッションが行われ、本格的な開幕を告げた。

PARTNERS 2014の特徴は、従来エンジニアを対象としたテーマのセッションが多かったところを、ビジネス部門やマーケティング部門向けにシフトしていること。テクニカルな話はわりと少なく、データ活用における多くの先進企業が、成功体験から得た知見やそこにいたるまでのプロセスを紹介している。ユーザー企業およびTeradataによるセッション数は実に200を超える大イベントだ。

ゼネラルセッションの会場は世界各国から集まった4000人強の人々で埋め尽くされた

テーマは「データドリブン」

米Teradata マイク・コーラーCEO

ゼネラルセッションに登場したマイク・コーラーCEOは、同カンファレスを「ユーザー企業が他のユーザー企業に情報共有をする非常にユニークな機会だ」と紹介。2014年は既に4000人強が参加し、本年から開始したオンライン配信の参加者も含めるとさらに多くの人々が注目していることがうかがえる。

2014年のテーマは「データドリブン」。データ駆動型のビジネスに関するベストプラクティスを議論する場を意味している。現在はあらゆるものがオンライン化され、顧客は外部のデータをいつでもどこでも利活用できるようになった。企業はこの変化に対応し、短期間でより多くの価値をもたらすことが求められている。

Teradataはこの機会を非常に好機と捉え、顧客、製品、プロセス、市場を分析することで、競争優位性を出すべきだ、と提唱している。

コーラーCEOは、データドリブンに対応し、ビジネス効率を上げた事例としてある自動車メーカーの話を取り上げた。その企業では、車のデータ分析を行うことで、タイヤの不具合を早期に発見。顧客への影響を最小限にとどめ、コストも低減。企業ブランドへの影響も抑制できたという。

この事例から、データドリブンの決断は早ければ早いほどよく、山ほどあるデータを分析し、知見を得ることで意思決定に反映していくべきだとしている。

オンライン化が進んだことで多くのビジネスが生まれた

Teradataが提唱するユニファイドデータアーキテクチャとは

Teradataは、データ分析プラットフォーム、ビジネスアプリケーション、コンサルティングサービスを提供するグローバル企業として、2008年から投資を拡大。大きな話題としては、2011年にAster Dataを買収し、ビッグデータ分析基盤を大幅に強化したことが記憶に新しい。

そんな同社が提唱するのが、多様化するデータ構造を包括的に管理し、分析に活用するアーキテクチャ「Teradata Unified Data Architecture(Teradata UDA)」である。統合データウェアハウス「Teradata」と、非構造化データの分析が可能かつ洞察の発見に優れたディスカバリープラットフォーム「Aster」、そしてデータプラットフォーム「Hadoop」という3つの並列処理プラットフォームを有機的に結合し、データの形式を問わず分析できる環境を提供している。

さらに直近では、2014年7月16日にメタデータ管理技術を備えたビッグデータ向け情報管理製品を扱うRevelytix(レベリティックス)を、7月17日に、経験豊富なビッグデータ技術者と知的財産を含むHadapt(ハダプト)を買収。UDAの拡張機能をより強固なものにした。

加えて、コンサルティング事業にも注力しており、2014年9月にはコンサルティング企業Think Big Analyticsを買収。アナリティクスエコシステムを活用するためのコンサルティングが重要であると捉え、Hadoopのコンサルティングに強い同社をグループ傘下に加えたようだ。

Teradataは今度も、UDAを中核にすべてのデータ分析分野においてトップリーダーを目差すとしている。

なお、「TERADATA 2014 PARTNERS」で行われた各セッションについては、後日あらためて掲載していく。