説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「ヘルスケアの"登った階数"はエレベーターでもカウントされるの?」という質問に答えます。

iOS 8に標準装備のアプリ「ヘルスケア」をiPhone 6/6 Plusで利用すると、「歩数」と「ウォーキング+ランニングの距離」にくわえ、「登った階数」が記録されます。「登った階数」はiPhone 5/5c/5sでは記録されないため、iPhone 6/6 Plusから採用されたモーションコプロセッサ「M8」が関係していると考えられます。

Appleは詳細を明らかにしていませんが、「登った階数」はM8の気圧センサーの情報が参照されていると考えられます。地上(海抜0m)の気圧は1013.25hPaあり、10メートルの上昇に対し約1hPa下降するとされていますから、その値を参考にすれば上の階へ移動したかどうかがわかります。

もっとも、電車やバスで移動する可能性も大いに考えられますから、「登った階数」のカウントには移動(歩数)情報も反映されているようです。実際、エレベーターに乗って上の階へ移動しても、「登った階数」は増えません。エスカレーターに乗ったときも同様に、歩いて登らないかぎり変化しません。自動車で高台へ移動したときも変化はありませんでしたから、気圧の変化に階段を登る動作を伴わないかぎり「登った階数」にカウントされないと考えてよさそうです。

ところで、「登った階数」は文字どおり上の階への移動が必須条件です。エスカレーターで上り下りを試してみたところ、上の階へ歩きながら移動したときには「登った階数」は増えましたが、下の階へ歩きながら移動したときには無反応でした。ただし、ある程度距離がある坂道を登ったときに「登った階数」が増えたことからすると、歩いている場所が階段かどうかの判定は行われないようです。

iPhone 6/6 Plusで現在地より高い場所へ歩いて移動すると、ヘルスケアアプリの「登った階数」にカウントされます